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フォワーダーとは?業務内容や国際物流における必要性・活用メリット

2024年3月29日
海外配送のイメージ写真

国際物流は国内とは違い、船舶、航空機の手配、通関、現地の輸送手段の確保など複数の手続きが必要です。特に通関や保税地域での業務は、国からの許可が必須で専門知識も求められます。

これから輸出入を始める方や、通関士のいない企業が自社で全て国際物流に関わる業務を完結させるのは容易ではありません。それらの煩雑な業務を全て請け負ってくれるのが、フォワーダーです。

本記事ではフォワーダーの業務内容から利用する際の注意点まで、詳しく解説します。フォワーダー選びの参考に、ご活用ください。

フォワーディングについて

トラックの写真

フォワーディングとは荷主から貨物を預かり、輸出入の輸送に関わる船舶や航空機、鉄道、トラックの手配から荷受人への納品までの業務全体を指す言葉です。そのため、広義では国内の輸送手配や保管も含んでいます。

EMSなどの国際郵便と混同しやすいかもしれませんが、国際郵便はフォワーディングで利用する輸送手段のひとつです。フォワーディングは、あくまで海外へ輸出入する貨物に対する物流全般の仲介やコーディネートをする業務であり、輸送手段そのものではありません。

また、輸出入貨物のフォワーディングを行う業者を、フォワーダーと呼びます。フォワーダーは、貨物利用運送事業者であり、自社で船舶や航空機などの輸送手段を持たず、実運送会社を利用して貨物を運びます。その他、通関を含む輸送全般のサービスを提供するのが特徴です。

フォワーダーが具体的にどのような業務を行うのか、詳しく見ていきましょう。

フォワーダーの業務

フォワーダーが行う業務内容を、以下の4つに分けて解説します。

【主な業務内容】

  • 船舶や航空機など国際輸送の手配
  • 船積み書類など輸送に必要な書類の作成
  • 通関業務(海外貿易に必要な手続き)
  • 現地での貨物の保管や梱包・配送業務

船舶や航空機など国際輸送の手配

フォワーダーは荷主に代わり、船舶や航空機など貨物に合わせた輸送手段を選定します。

自社では船舶や航空機を持たないため、提携先の船会社や航空会社とスケジュールを調整して貨物を運ぶスペースを予約します。貿易用語では、ブッキングといわれる業務です。同時に輸送用のコンテナも手配します。

納品スケジュールがタイトな場合、スペース確保に時間がかかると納期の遅延につながります。

ブッキング業務では、複数の船会社や航空会社と提携している、選択肢が多いフォワーダーが有利です。

なお、航空輸送が得意なフォワーダーは「エア・フレイト・フォワーダー(Air Freight Forwarder)」、海上輸送が得意なフォワーダーは「NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)」と呼ばれています。

フォワーダーを選ぶ際には、自社が求める輸送条件とフォワーダーの得意分野をマッチングさせるとよいでしょう。

船積み書類など輸送に必要な書類の作成

フォワーダーは、荷主から輸出申告に必要なインボイスやパッキングリスト、船積み依頼書などの書類を受け取ります。船積み依頼書はフォワーダーが作成する場合もあります。

船積み手続きには、船会社に対して以下の書類の提出が必要です。荷主から受け取った船積み書類をもとに、フォワーダーが作成します。

  • B/Lインストラクション(B/L(船荷証券)の元になる書類)
  • コンテナ内積付表
  • ドックレシート(オンラインで手続き時には不要)

近年は、国際物流でもペーパーレス化が進んでいます。オンラインで手続きを完結できるNACCSというシステムが広く利用されています。

通関業務(海外貿易に必要な手続き)

国際貿易では、通関業務が必須です。

通関業務を行えるのは、通関士や国の認可を受けた海貨業者という事業者に限られています。そのため、商社やメーカーが自社で通関手続きを行うケースは少ないといえるでしょう。荷主に代わり輸出入の通関手続きを代行するのも、フォワーダーの主要な業務です。

具体的には、荷主の船積み書類をもとに輸出申告書を作成します。この時、関税率を決めるHSコードとよばれる税番を記載するのもフォワーダーの仕事です。

その他、荷物の種類によっては輸出入の許可や登録申請が必要です。不備により通関で荷物が止まらないよう、フォワーダーは事前に必要書類を荷主から取り寄せておかなければなりません。

貨物の保管や梱包・配送業務

フォワーダーは、輸出入した貨物を保税地域(通関が完了するまで貨物が保管される区域)内で倉庫へ運搬、保管、梱包作業をします。

保税地域内の倉庫では、仕分けや包装、簡単な加工を含む梱包作業を行います。ただし、作業には税関長の許可が必要です。フォワーダーは自社で許可を取得し作業するか、通関業者に作業を依頼します。

通関後、輸出の場合は、納品先への配送手配までが業務範囲です。貨物の通関手続きが完了したら、手配したトラックに積み込み、納品先まで配送します。

乙仲との違い

フォワーダーと混同されやすい言葉に、「乙仲」があります。乙仲とは「乙種仲立業」の略で、戦前は定期的に運搬される海上貨物の仲介業者を指していました。現在では海貨業者を指す言葉として定着しています。

国際輸送に関する業務を代行する点では、乙仲とフォワーダーはほぼ同じ業務形態です。

乙仲が海上貨物を限定にしたサービスであるのに対し、フォワーダーは海上・航空どちらも取り扱います。つまり、サービス対象とする輸送手段の範囲に違いがあると覚えておくとよいでしょう。

フォワーダーを利用する必要性・メリット

会社員の写真

国際物流にフォワーダーを利用する主なメリットは、以下の通りです。

  • コストや日数の面から最適な輸送手段を選べる
  • 豊富な知識や経験に基づいた提案を受けられる
  • 輸送中や現地で問題が起きてもリスクを抑えられる

それぞれ、詳しく解説します。

コストや日数の面から最適な輸送手段を選べる

フォワーダーは複数の船会社、航空会社と提携しています。船や飛行機のみならず、鉄道や自動車など陸路も組み合わせ、総合的に物流ルートを構築できます。その中からコストや日数を考慮し、荷主の条件に最適な輸送手段を選定できるのが強みです。

自社で輸送手配を行うと、大手企業ではない限り物量が少なく、輸送コストが割高になるでしょう。フォワーダーは毎月10〜100本単位でコンテナや貨物を扱います。そのため船会社、航空会社との特約で割引運賃が適用され、より低コストの輸送手段を選べます。

豊富な知識や経験に基づいた提案を受けられる

フォワーダーは日々あらゆる分野の輸出入貨物を取り扱うため、国際物流の知識と経験が豊富です。

国際輸送は、通関や保税地域での貨物取り扱いなど国の許可が必要な業務が多いため、自社で完結するのは容易ではありません。知識と経験のあるフォワーダーを利用すれば、各種手続きや作業がスムーズに進められます。

とくに危険物や冷蔵・冷凍品など特殊な貨物の配送には、専門の知識を持ったフォワーダーの利用が不可欠です。

知識と経験が豊富なフォワーダーを利用すれば、複数の選択肢の中から効率よく貨物を輸送する提案を受けられるメリットがあります。

輸送中や現地で問題が起きてもリスクを抑えられる

フォワーダーを利用すれば、問題が発生した時のリスクを最小限に抑えられます。

国際取引には法規制にのっとった煩雑な申請が多く、専門的な知見が必要です。貨物の種類によって、どこにどの書類を提出すればよいか、輸送や通関でどのような問題が起こりうるかをあらかじめ把握しておかないと、貨物が止まる可能性があります。問題の発生時に、顧客にとってベストな解決方法を提案するのが、フォワーダーの役割です。

そのほか国際物流では、湾岸ストライキや海上紛争、船会社の倒産などのリスクもあります。このような場合でも、蓄積された経験とコネクションから最適な代替案を提示してもらえる点でフォワーダーの必要性は高いといえるでしょう。

フォワーダーを利用する際の注意点

指差ししている人の写真

フォワーダーによって、それぞれ得意な分野があります。

たとえば航空輸送・海上輸送、輸出・輸入、冷蔵、エリア特化など、自社で必要なサービスに強い業者を選ぶのがポイントです。自社の取扱商品の輸送実績があるかどうかも、合わせて確認しておきましょう。

また、取扱量が多いかどうかも確認しておきたいポイントです。輸送コストは業者によって違います。物量が多い業者ほど、割安な運賃が適用される可能性が高いといえます。

その他、送り先の国に支店や代理店があれば、なお安心です。輸出入国の間でコミュニケーションが密にとれるので、問題発生時にも迅速で柔軟な対応が期待できます。

国際物流はJPロジスティクスに一括でお任せ

JPロジスティクスの流れのイラスト

JPロジスティクスでは、国際物流に関わる総合的なサービスを提供しております。

日本郵便やトールをはじめとするグループ会社のネットワークを最大限に活かし、BtoBとBtoCいずれの国際輸送にも対応可能です。

輸出入の通関手続きはもちろん、荷主様よりお預かりした荷物の仕分けやラベル貼付け、荷受人への配送までトータルでサポート。国際物流を一括で委託したいお客様のご要望に合わせ、柔軟なサービスを提供します。

輸入貨物に関しては、輸入後に日本郵便が提供するゆうパックなどのBtoC配送サービスもご利用可能です。その際は日本郵便の倉庫をご利用いただけるため、自社倉庫に納品する手間が省けます。

国際輸送と国内サービスの組み合わせにより、エンドユーザーへの配送まで一括で実現するのが最大の強みです。

まとめ

国際物流には複雑な法規制が関係するため、通関や輸送の専門知識が必要です。また保税地域での貨物取り扱いや通関申告など国の許可が必要な業務が多い特徴から、フォワーダーへの業務委託が効率的です。委託により、輸送コストが抑えられるメリットもあります。

JPロジスティクスはトールと連携したグローバルフォワーディングサービスにより、航空、海上、複合輸送(Sea&Air)、通関をはじめとした各種サービスを組み合わせてお客さまひとりひとりに最適な物流ソリューションを提供しています。ぜひ一度ご相談ください。

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