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発送代行サービスとは?メリットや費用相場、選ぶ際のポイントも解説

2023年9月21日 15:00
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自社で発送作業を行っている場合、荷物の量が多くなればなるほど 、その負荷が大きくなっていきます。そうした場合に検討したいのが、発送代行サービスです。EC需要が拡大している昨今では、発送代行サービスを利用している企業が増えつつあります。

そこで今回は、発送代行サービスのメリット・デメリットや費用相場、業者を選ぶ際のポイントを紹介。委託を検討するタイミングについても解説しているので、本記事を参考に、発送代行サービスの利用を検討してみてください。

発送代行サービスとは

ラベルを貼るのを代行してもらう写真

そもそも発送代行サービスとは、EC通販などの事業主が行う商品の発送業務を代行してくれるサービスです。発送業務には、商品を包むための資材調達、保管場所での商品移動、宛名の入力、梱包、配送会社への引き渡しなどが含まれます。

従来はBtoBがメインのサービスでしたが、昨今ではBtoCやCtoCの個人向けの発送に対するニーズが増えています。

発送代行サービスのニーズが増えている理由

発送代行の様々なニーズを表現する写真

発送代行サービスのニーズが増えている背景には、EC需要の拡大が挙げられます。2010年頃からのスマートフォンの普及とともに、インターネットショッピングはより身近な存在となりました。これによりEC需要が拡大。サービスによっては、注文した翌日に商品が手元に届くまでになり、今や消費者がインターネットショッピングに求めるクオリティは、商品自体に留まらず、配達スピードにまで及ぶようになりました。

発送業務を自社で対応している企業は、商品が売れれば売れるほど、消費者のニーズに応えるために、発送業務に時間を割かなければいけません。特に、成長期の企業においては少ない人員ですべての業務をこなす必要があり、発送業務が煩雑になることも出てくるでしょう。

商品が手元に届いたときの状態の善し悪しは、評価(レビュー)に関係します。また、発送業務にリソースが割かれてしまうと、マーケティングや商品開発、事務作業などのコア業務に割ける時間が減少。商品自体の品質低下により、売上が下がることも考えられます。

ECモールに出店している場合は、セール時期と平常時で受注個数が大幅に異なり、セール時期に追加した人員が余剰となり、人件費が余計に発生してしまうといったこともあります。

EC戦国時代と呼ばれる昨今において、需要の拡大に対応しつつ、消費者が求める品質を維持したまま、経費の最適化を図ることを考慮したときに、発送業務の代行サービスが欠かせないものとして、そのニーズが拡大しているのです。

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発送代行サービスの種類

発送代行には大きく分けて2つ

発送代行サービスの種類は、大きくわけて次の2つです。

メリット デメリット
フルフィルメント

・受注から決済までの一連の業務を委託できる

・緊急時でもスピーディーに対応できる

・物流や発送に精通していなくてもEC事業をスタートできる

・顧客との接点が減少する

・委託先によっては品質管理が行き届かない可能性がある

3PL

・物流業務のみピンポイントで委託できる

・現場の運営管理が難しい

両者の違いは、委託する業務の範囲です。フルフィルメントは受注から商品が届くまでの一連の業務を委託するのに対して、3PLではEC業務における「物流業務」のみを委託します。
いずれも業務に対するリソースの削減効果やプロのノウハウによる高い品質を維持できるなどの期待できるため、コア業務に注力できるというメリットを享受できます。その一方で、自社に物流ノウハウが蓄積しないのは両者共通のデメリットといえるでしょう。

フルフィルメント

フルフィルメントとは、受注から決済、商品が顧客の手元に届くまでの一連の業務全般を指します。サービス例としてはFBA(fulfillment by Amazon)や楽天スーパーロジスティクスなどがあります。フルフィルメントでは3PLよりも広い範囲の業務を外部委託するので、よりコア業務に集中しやすいというメリットがあります。

また、商品の入荷から保管・管理、受注処理、配送のほか、返品処理など、商品が届いた後の業務も一括で委託するので、少ない人員かつ低コストでEC事業のスタートが可能。一連の流れを専門の事業者が管理するため、クレームや返品対応といった緊急時においてもスピーディーな対応が実現できます。

一方で、受注から出荷まで基本的に委託先任せになるため、委託先によっては品質管理が行き届かない恐れがあります。商品の品質は顧客満足度に大きく関係してくるので、定期的に委託先とコンタクトを取り、品質維持に努めなければなりません。

また、フルフィルメントではコールセンター業務といった顧客との接点が生まれる業務も委託します。既存商品の改善案や、新規商品の開発アイディアのヒントとなる顧客からの意見を得難くなる点は大きなデメリットとなるでしょう。

3PL

3PLとは「Third Party Logistics(サードパーティ・ロジスティクス)」の略称で、簡単にいうと「専門ノウハウを持つ第三者企業に物流業務を委託すること」を指します。受注から配送などの一連の業務を委託するフルフィルメントとは異なり、3PLでは「物流業務のみ」を委託します。日本郵便の物流ソリューションサービスやロジモプロ、ウルロジ、ECO宅などが代表的なサービスです。

3PLのメリットは、まさに「物流業務のみ」を委託できる点です。外部委託するためコストは発生しますが、物流業務だけであれば自社で行う場合とかかるコストはさほど変わらないでしょう。むしろ物流の専門家に委託することで効率が上がれば、物流コストの低減が見込めます。さらに、委託した分のリソースは販促業務などのコア業務に充てられます。より多くの商品が売れれば、コストを削減しつつ売上アップが見込めます。

一方で、物流業務に関する現場の運営実態が把握しづらいという点は、3PLにおけるデメリットです。物流業務に関して問題が発生した場合でも委託先に任せるしかなく、改善策や再発防止策においても説明や報告を待つだけとなり、自社にとって最適解が得られるとは限りません。 委託先の対応によっては自社の評判を下げかねないため、業者選びは慎重に行う必要があります。

発送代行業者に委託できる業務

発送代行業社に委託できる業務のチェックリストの写真

発送代行業者には、次の業務を依頼できます。

委託できる業務 概要
入荷作業 商品の倉庫への受け入れおよび検品
入庫作業 在庫管理表への計上を行い、所定の場所に保管する
在庫管理 入庫・出荷による在庫の増減を記録し、管理する
ピッキング 発送する商品を倉庫内から探す・集める作業
梱包作業 発送する商品を指定の緩衝材やダンボールなどで梱包する
出荷・配送 運送業者に商品の配送を依頼する

フルフィルメントの場合は、上記に加えて受注、問い合わせ対応、決済はもちろん、返品・交換対応などのサポート業務まで依頼できます。梱包作業においては、指定のシール貼付やギフトラッピングといった流通加工の対応範囲が委託業者によって大きく異なります。希望する加工に対応してくれるか否かは、契約前に確認しておきましょう。

発送代行サービスの費用相場

発送代行サービスの費用は、固定費と変動費に分けられます。基本費用などの固定費は、業者によって設定が異なります。また、変動費においても単価や物量に左右されるため、相場は一概には言えないのが現状です。

たとえば、楽天市場への出店の場合、5,000商品までの商品登録の場合は月額出店料が19,500円(税抜)、20,000商品までの商品登録の場合は月額出店料が50,000円(税抜)という料金設定です。これらに加えて月間売上高に対して2%~7%のシステム利用料などが発生します。

発送代行サービスに含まれる料金の内訳

発送代行サービスの料金には、次の6つの費用が含まれています。

料金内訳 概要
基本費用 システム料や事務手続き料を指す。業者によっては在庫管理や梱包作業費用が含まれることもある。1件あたり30,000円が目安
入庫費用 商品到着時の検品や倉庫に運ぶ作業に対する費用。単品、ケース単位、ロット単位で単価が違う。単品の場合は1件10~30円、箱ごとの場合は1箱30~150円が目安
保管費用 入庫した商品の保管にかかる費用。坪単位やラック単位で単価が設定されていることが多い。そのほか、温度調節が必要な場合や倉庫の立地によって費用が加算される
梱包費用 発送前の商品を梱包する際に発生する費用。1件100〜500円が相場。梱包の仕方で費用に差が出るため、500円以上になることも
配送費用 商品を配送先に届けるために必要な費用。60サイズの場合は1件400円前後。120サイズ以上の場合は1件600円前後が目安
オプション費用 キャンセルや返品対応などに発生する費用。業者によってはギフトラッピングなどの流通加工もオプション扱いとなる

上記のうち、基本費用は固定費、その他の費用は物量によって変動するため変動費に分類されます。

発送業務を委託するメリット

発送代行のメリット

発送代行サービスを利用すると次のようなメリットを享受できます。

  • 経費削減
  • コア業務に注力できる
  • 発送品質の向上

手間と時間がかかる発送業務を委託することで、自社社員のリソースを確保できます。これにより、商品開発や販促業務などのコア業務に注力できれば、売上の向上にも期待が持てるようになるでしょう。

また、発送業務を委託した場合、商品保管のためのスペースを確保する必要がなくなります。在庫保管のための倉庫を借りる必要がなくなるため、賃料を削減できます。さらに、発送業務の何にどのくらいの費用が発生しているのかの可視化が可能。自社で対応するよりも効率的に発送業務を行ってくれるため、不要な経費の削減効果も期待できます。

発送業務を委託するデメリット

発送代行のデメリット

メリットがある一方で、発送代行サービスには次のようなデメリットがあります。

  • 自社に発送業務のノウハウが蓄積されない
  • 個人情報流出のリスクが高まる
  • 柔軟な対応が難しい場合もある

当然ですが、発送業務を外部に委託するため、自社に発送業務に関するノウハウは蓄積されません。後々、自社で発送業務を行う場合は、サービス利用中に最適な発送業務体制を整えるようにしておく必要があります。

また、事業に関わる人数が増えれば、それだけ情報流出のリスクが高まります。特に、発送業務では顧客の氏名や住所、何を注文したかが丸わかりです。こうした個人情報が流出すれば、自社の信用に関わります。そのため、発送代行業者を選ぶ際は、信頼性を重視する必要があります。

さらに、「一旦発送を止める」といった、自社で発送業務を行っていれば対応可能なことも発送代行サービスでは受け付けてくれない可能性があります。契約した以上、契約内容に従う必要があるので、事前にどこまで対応可能か把握しておき、ECサイト内に「注意事項」として明記しておきましょう。

発送代行サービスの検討をするタイミングはいつ?

発送代行サービス検討のタイミングの写真

これまで自社対応してきた発送業務の外部委託の検討が必要なのは、次のようなタイミングです。

  • 発送業務に時間がかかりすぎている
  • 配送コストが膨らんでいる

上記のような理由で売上が伸びない、経営が悪化している場合はすぐにでも発送業務を委託した方が良いでしょう。

発送業務に時間がかかりすぎている

発送業務に時間がかかり、他の業務時間を圧迫している場合は、発送代行サービスの利用を検討しましょう。発送業務はいわば付帯業務です。その付帯業務の負荷が増えることによって、コア業務に割く時間が削られてしまうと、商品開発がままならなかったり、中途半端な販促施策で時間と労力を無駄にしたりといったことが考えられます。

将来的に経営が悪化すれば、本末転倒です。売上を伸ばし、事業を拡大していくためにも発送業務を委託してコア業務に注力できる環境を整える必要があります。

配送コストが膨らんでいる

注文が増え、配送量が増えると在庫を保管するための倉庫の賃貸料や人員確保のための人件費といったコストが嵩みます。事業規模が大きくなると自社対応する方が、コストパフォーマンスが悪化するケースがあるのも否めません。こうした場合にも発送代行サービスの利用を検討する必要があります。

ただし、場合によっては発送代行サービスを利用する方が、費用が高くなることがあるので、まずは自社で発送業務にかかっている費用を洗い出すことを推奨します。その費用と発送代行サービスの費用を比較し、発送代行サービスの方が安く済ませられるのであれば、利用しない手はないでしょう。

発送代行サービスを選ぶ際のポイント

発送代行のポイントを説明する女性の写真

発送代行サービスを選ぶ際には次のポイントを意識してみましょう。

  • コストで選ぶ
  • 倉庫の実績で選ぶ
  • 倉庫のスペックで選ぶ
  • サポート体制で選ぶ
  • 自社システムとの連携性で選ぶ

要は事業規模や商品の特性、顧客の属性といった条件と相性の良いサービスを選定するのがポイントです。一つずつ詳しい内容を見ていきましょう。

コストで選ぶ

配送代行サービスにかかるコストも経費となるので、売上に関係してきます。そのため、できるだけ安く済ませたいところではありますが、あまりに安いと必要なサービスを受けられない、もしくはオプション対応となるおそれがあります。

必要なサービスが受けられない、もしくはオプション対応となると、自社発送するよりもコストがかかるケースも出てくるでしょう。そのため、契約前に提示された料金に含まれるサービスについて確認しておくことをおすすめします。

倉庫の実績で選ぶ

「実績がある」ということは、多くの取引先に選ばれてきた証拠です。つまり実績は安全性と信頼性を測る基準ともいえます。とくにはじめて依頼する場合は、実績が多い方が安心できるでしょう。業者によっては得意な商品ジャンルがある場合もあるので、見積りの際に確認しておくことも大切です。

倉庫のスペックで選ぶ

依頼を検討している発送代行業者が保有する、倉庫の機能性についても確認しておきましょう。チェックしておきた倉庫のスペックは、次のとおりです。

【確認すべき倉庫のスペック】

委託できる業務 概要
出荷可能数 受注数に対応できるかどうか。数や規模感によっては追加料金が発生する
倉庫拠点 配送先までの距離。近い方が配送コストを抑えられる
提携配送業者 提携業者によって配送規定や料金が異なる
倉庫は自社保有か
提携か
提携の場合、マネジメントが行き届かないことによるミスが発生する可能性も
設備 温度調節が必要な商品の場合、冷蔵・冷凍設備があるかどうか

たとえば、自社商品が冷蔵・冷凍品の場合、発送代行業者が保有もしくは借りている倉庫のスペックによっては依頼できないおそれがあります。また、配送先が偏っている場合はその配送先の近くに倉庫拠点がある方が、配送コストを抑えられます。

サポート体制で選ぶ

顧客は「早く」「安全」に荷物が届くことを望んでいます。荷物が届くまでにトラブルが発生した際に、迅速に対応できなければ顧客からの信頼を欠くことになります。こうした事態を避けるためにもトラブル発生時のサポート体制についても確認しておきましょう。

自社システムとの連携性で選ぶ

倉庫管理システムやチャットツールなど、自社と倉庫でシステム連携できれば在庫確認や出荷指示にかかるコミュニケーションコストを削減できます。発送にかかる業務量を極限まで低減できるので、自社システムとの連携性についてもチェックしておきましょう。

日本郵便が取り組む物流サービス

日本郵便が取り組む物流サービスのフロー図

日本郵便「ワンストップ物流ソリューション」

日本郵便では、事業規模や物流作業に応じた物流ソリューションサービスを提供しています。全国の郵便局や物流センターを活用した物流商品の保管、ピッキング、流通加工からお届けまでニーズに合わせた対応が可能。3万点にもおよぶ商品保管からギフトラッピングにも対応する事例もあります。

3万点にもおよぶ商品保管から、ギフトラッピングにも対応するロジスティクスサービスの活用で「贈り手の心遣い」

株式会社イノブンさま

また、「短期間だけ」「一部の作業だけ」などのスモールロジも得意としています。さらに、事業規模や物流作業に応じて、必要な機能だけを設計したオーダーメイドシステムを構築。導入投資を最小限に抑えられるので、発送代行サービスの利用を検討している場合は、ぜひ一度ご相談ください。

ギフト通販事業拡大戦略の一環としてシーズナルギフトの出荷業務の一部を外部委託

ベルヴィ株式会社さま

まとめ

株式会社野村総合研究所の「ITナビゲータ2021年版」によると、2020年には20兆円規模だったEC市場は、2026年までに29兆円に拡大する見込みです。事業規模にもよりますが、今後さらにオンラインでの買い物が加速していくなかで、自社リソースで発送業務を担うのは遅かれ早かれ限界を迎えるでしょう。いずれ委託するのであれば、早めに委託してコア業務に集中できる環境を整えておく方が競合企業に差を付けやすくなるはずです。

日本郵便では、事業規模・作業内容に応じた物流サービスを提供しています。物流量の大小はもちろん、期間においてもフレキシブルに対応。一部、もしくは丸ごと物流工程を委託していただけます。

全国各地にある郵便局や物流センターを活用するため、配送リードタイムの短縮、配送コストの削減も可能。お客さまとエンドユーザーさま、双方にとってより良い形のソリューションをご用意しておりますので、発送代行の利用を検討している、もしくは委託先に迷っている場合はぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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