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EC物流とは?仕組みや特徴・課題・業務改善のポイントを詳しく解説

2024年3月29日
EC物流のイメージ写真

EC物流の業務は、煩雑になりやすい特徴があります。繁閑の差が激しいために人員の調整が難しく、さらにオムニチャネルへの対応やスピーディーな対応が求められるからです。

EC物流を円滑に進めるには業務プロセスを把握して、課題を明確にし、一つひとつ改善を図ることが肝要といえます。

今回はEC物流の概要や仕組みを解説したうえで、EC事業者が直面しやすい物流の課題と解決のポイントを解説します。EC事業の売上拡大には、バックヤード業務の整備が必須です。課題解決のご参考になさってください。

EC物流とは

商品を配達する配達員の写真

EC物流とは、EC事業の運営において、顧客に商品が届くまでの一連の流れを指す言葉です。

そもそもECは、Electric Commerceの略称。日本語では電子商取引を意味し、インターネットや公衆回線等を経由した商取引全般を指します。そうしたECに関わる商品の入荷、保管、ピッキング、梱包、出荷、配送といった物流に関する業務プロセスの総称がEC物流です。フルフィルメントと呼ぶケースもあります。

EC事業の運営に必要な決済業務や返品処理、コールセンター業務を含めて表現する場合もあり、BtoBの業務プロセスと比較して、幅広い業務が対象となります。

またEC物流では、自社ECサイトと並行して各モール(楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon等)や実店舗、カタログなどの手段で販売するケースが少なくありません。その中で、多様な購入経路の行き来を意識せずに顧客が商品を購入できるオムニチャネルの戦略が注目されています。

EC物流はオムニチャネルへの対応、多品種小ロットの出荷、ラッピング等の個別対応など、業務が煩雑化しやすい傾向にあるため、事業規模に応じてアウトソーシングするのもひとつの手段です。

EC物流の仕組み

物流倉庫で働く人の写真 EC物流の流れについてのイラスト

次にEC物流の仕組みと工程ごとのポイントを解説します。大きく分けて以下4つの工程を経て、顧客に商品が届きます。

  • 商品の入荷・検品
  • 商品の保管・管理
  • 商品のピッキング・梱包
  • 商品の出荷・配送

①商品の入荷・検品

まずは商品を倉庫に入荷します。入荷の際は、検品が欠かせません。商品に破損や汚損がないかチェックすると同時に、正しい品番の商品が、正しい数量届いているか入荷予定と商品を照合します。EC物流では、多品種小ロットの商品を扱うケースが多いため、入荷時に誤りのないよう注意を払わなければなりません。バーコードスキャナーや倉庫管理システム(WMS)を活用すると、入荷検品と情報管理の精度が向上します。

②商品の保管・管理

入荷した商品は倉庫内の棚に入れて保管します。出荷時にすぐに取り出せるように、商品の品番と数量、保管場所(ロケーション)を記録します。商品の特性によっては、賞味期限管理や温湿度管理が必須です。また保管効率や作業効率の向上を目指し、商品の出荷頻度や大きさなどを考慮して保管方法を決定することが望ましいです。

③商品のピッキング・梱包

受注が入り次第、商品をピッキングします。注文書ないしは出荷指示書に記載の商品の品番・数量を確認しながら、棚から取り出して、箱に詰めて梱包。必要に応じて、緩衝材を詰めたり、チラシやノベルティを同梱したりする作業も行います。梱包箱の大きさは運送費用に直結するため、商品のサイズに適した大きさの段ボールを選定するのもポイントです。

④商品の出荷・配送

送り状を梱包箱に添付し、納品先と梱包した商品が合致しているか、出荷前に再度検品します。運送業者に配送の手配を行い、倉庫から商品を出荷。ドライバーによって顧客のもとに商品が届けられます。

EC物流における課題

俯いている人形の写真

EC物流を自社で担う場合に直面しやすい課題がいくつかあります。

主な課題は次のとおりです。

  • 人手不足の状況での対応
  • 物流コストの高騰への対応
  • 配送までのスピーディーな対応
  • 在庫管理に関する対応

人手不足の状況での対応

自社でEC物流を担う事業者が抱える課題のひとつに、人手不足が挙げられます。

EC物流は、商品のセールや季節、新商品の発売による繁閑が大きく、作業スタッフの人数調整が難しいことが特徴です。また事業の成長に伴い出荷量が拡大し、社内の人的リソースでは対応しきれなくなるケースもあるでしょう。

作業スタッフが対応できる出荷量のキャパシティを超えてしまえば、残業や納品の遅延は避けられません。その結果、顧客離れや注文のキャンセルを招いてしまうリスクがあります。

人手不足への対応は派遣スタッフや短期のアルバイトスタッフの採用が有効です。ただし、その都度採用や教育にかかるコストは懸念事項として残ります。

物流コストの高騰への対応

高騰する物流コストへの対応も課題のひとつです。物流にかかるコストには、以下の種類があります。

  • 運送費用
  • 人件費
  • 保管費用
  • システムにかかる費用

運送費用はガソリン代の高騰や働き手不足の影響で高騰する一方です。商品を海外から輸入する場合には、高止まりしている国際輸送費用にも目を向けなければなりません。

人件費も少子高齢化や最低賃金の上昇を受けて、上がっていく見込みです。保管費用についても建築費用高騰の影響により、上昇しつつあります。(2024年2月現在)

物流コストの高騰は、利益を圧迫します。商品の値上げに迫られる可能性もあるでしょう。

物流コスト高騰への対応は人件費の抑制が考えられます。誰もが同じように作業を進められるよう、標準化を進めれば、アルバイトスタッフで入出荷対応ができるようになります。そのためには、作業マニュアルの整備や物流システムの導入が効果的です。正社員が作業生産性を管理すれば、より効率を高められる可能性があります。

配送までのスピーディーな対応

EC物流は顧客に届くまでの早さが求められることも課題として挙げられます。翌日配送のニーズは依然として高く、配送スピードの早さがユーザー評価に直結します。

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモールへ商品を出品する場合は、配送スピードが検索画面で上位表示させるための加点要素になります。そのため、配送までのスピーディーな対応が売上に影響するのです。

また前述のとおり、納品の遅れはキャンセルや客離れにつながる恐れもあります。顧客を極力待たせないための取り組みは重要です。

配送までのスピーディーな対応には、スタッフの確保が大前提にあります。そのうえで、受注から出荷に向けてスムーズに作業を進められる仕組み作りも有効です。実店舗や複数のEC店舗を運営している場合、欠品や売り越しを起こさぬように受注システムを利用して、在庫を一元管理すると効率の向上が望めます。

在庫管理に関する対応

在庫管理はEC物流の課題であり、スピーディーな対応への鍵にもなります。在庫管理では、商品の数量や保管場所を明確に把握する必要があります。

在庫管理が適切に行われていない場合、在庫の過不足を起こしかねません。在庫が不足すれば、販売機会を逃し、在庫が過剰であれば、保管費用が増大します。

保管場所が把握できていなければ、出荷の際に迅速なピッキングができないだけでなく、商品を紛失してしまうリスクもあるでしょう。倉庫管理システム(WMS)を活用すれば、在庫管理を効率化できます。

また在庫管理には整理整頓も重要です。必要な在庫量が増加した際には、無理に現状の保管スペースに入庫せず、新たな保管スペースを確保しましょう。自社の保管スペースが逼迫してしまった場合には、外部倉庫への委託を検討してみてください。

EC物流を改善するためのポイント

物流倉庫で検品している写真

自社のEC物流を改善するためのポイントは次のとおりです。

  • 現状の正確な把握
  • 業務プロセスの見直し
  • 物流システムの導入
  • アウトソーシングの活用

現状の正確な把握

EC物流を改善するには、まず現状を正確に把握しましょう。

物流の業務プロセスを洗い出し、プロセスごとの課題を特定します。現場に則した改善策を打ち出せるように、現場スタッフに必ずヒアリングしてください。課題に関わるデータ収集も合わせて行い、可視化します。例えば「1時間あたりのピッキング数」や「工程ごとに必要な人員」などの数値を把握できれば、KPIを設定しやすくなるでしょう。

改善に向けて、取り組みに着手するための重要な工程です。

業務プロセスの見直し

業務プロセスの見直しも有効です。

従来の作業方法や手順は、注文数の増加などの状況の変化によって、現状に適していない可能性があります。作業に無駄がないか確認しながら、代替案を検討してください。

計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを回し、EC物流を改善していきます。

物流システムの導入

EC物流の改善には、物流システムの導入が欠かせないといっても過言ではありません。

受注システムの活用により、複数店舗の在庫管理を一元化できます。また受注システムと倉庫管理システム(WMS)を連携すれば、受注から出荷指示までシームレスなデータの受け渡しが実現します。

他にも、バーコードスキャナーや帳票類を印刷するための出荷システムなどが導入の選択肢として考えられます。

作業効率の向上と作業標準化のメリットが期待できる一方で、システム導入費用や業務プロセスの見直しに伴うデメリットもあります。出荷量を考慮して、検討してみましょう。

アウトソーシングの活用

アウトソーシングを活用する手段もあります。

業務プロセスの見直しや物流システムの導入をするにあたっては、一定のノウハウが必要になるでしょう。実績のある物流のプロに業務をアウトソーシングすれば、経験にもとづいた業務プロセスが構築されているため、コストを削減できる可能性があります。

繁閑に対応できる体制が整備されており、安心してEC物流を任せられるので自社のスタッフは営業や商品開発、マーケティングなどのコア業務に注力できます。保管スペースや出荷量の拡大にも対応できて、必要な物流業務を一括で任せられる物流会社を選択するとよいでしょう。

EC物流はJPグループにお任せ

日本郵便グループの拠点のイラスト

JPグループはEC物流に関わる総合的なサービスを提供しています。

EC事業では、海外から輸入した商品を取り扱うケースもあるでしょう。JPグループのJPロジスティクスは国内輸送の豊富な実績に加えて、国際輸送も強みとしています。海上輸送、航空輸送、税関対応が可能です。

そして同グループ日本郵便の得意分野はEC物流です。全国に25箇所(準備中の施設も含む)の物流センターをご用意。配送にはゆうパックを活用し、一定の条件をクリアしたエリアでは、当日配送も実現できます。

商品の輸入から保管、受注、決済、出荷、配送までワンストップでお任せいただける環境を整えております。EC物流の課題解決は、ぜひJPグループにご相談ください

まとめ

EC物流は、EC運営が軌道に乗る前に整備をしておくことが望ましいといえます。売れ行きが拡大し、出荷量が急激に伸びたタイミングで対応しきれなくなってしまうEC事業者は少なくありません。

改めて業務プロセスの確認、見直しを行い、必要に応じて物流システムの導入やアウトソーシングを検討しましょう。

JPグループは、商品の輸入から出荷までEC物流をトータルサポートします。物流業務のアウトソーシングをお考えの際は、ぜひJPグループにお問い合わせください。

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