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物流業におけるIT活用のメリットとは?活用事例や導入のポイントを解説

2023年9月21日 15:00
配達をする配達員の写真

人が中心となり、担ってきた物流業務。しかし、近年は人手不足が進んでおり、円滑な物流を維持するために「IT活用の推進」が求められています。

今回は、物流業におけるIT活用のメリット、活用事例、導入する際のポイントなどを解説。物流業が抱える課題、気をつけるべきデメリットについてもご紹介します。

物流業が抱える課題

配送用トラックの写真

「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」(経済産業省・国土交通省・農林水産省)によれば、物流業界が抱える課題には、以下のようなものがあります。

人手不足

近年、物流業界の労働力が不足しており、実際に不足を感じる企業も増加しています。また、道路貨物運送業の年齢構成は、全産業の平均と比べて中高年の比率が高く、若年層の比率が低い傾向で、これも今後の人手不足リスクを高めると予想されます。

小口発送増加・積載率の減少

近年の物流は、ネットショッピングニーズの高まりなどを背景に小口多頻度化が進み、貨物一件あたりの貨物量・貨物自動車の積載率も低水準で推移しています。このような現状も、物流効率を低下させる要因となっていると考えられます。

2024年問題

トラックドライバーの時間外労働の上限が960時間に制限される、いわゆる「2024年問題」によって、円滑な物流が阻害される恐れがあるともいれています。「2024年問題」解決に向けて」(国土交通省 東北運輸局)では、具体的な対策を講じなければ、2024年に運輸能力がおよそ14%(4億t相当)不足する可能性を示唆しています。

制度スケジュールの表

物流は労働集約型産業の1つですが、時間外労働の制限も目前に迫っており、マンパワーに頼った改善には限界があります。物流業界の課題解決には、IT活用が不可欠ということができるでしょう。

物流業におけるIT活用のメリット

発送代行業社スタッフの写真

物流業においてITを活用するメリットは、以下のとおりです。

  • 人材不足の解消
  • 業務の効率化
  • 品質の向上
  • 配送の最適化
  • 付加価値をつける
  • コスト削減

人材不足の解消

物流業界は、若年層を中心に人手不足が深刻化しており、高齢ドライバーの引退などでさらなる人手不足が深刻化する可能性が考えられます。
そこで、IT活用によって物流を自動化・効率化することで、限られた人材で効率よく業務遂行することが期待できます。

業務の効率化

近年は小口多頻度化の影響などで、物流業務量が増大しています。
そこで、ITによって受注から出荷までに必要な検品、流通加工、商品管理などの業務の一部、もしくは全てを自動化することで、大幅な業務効率化が期待できます。

品質の向上

これまで人の手に頼っていた業務の​​一部、もしくは全てをIT活用で自動化することは、ヒューマンエラーの防止にも役立ちます。
また、商品のデータを蓄積しておくことで、時期ごとに最適な在庫管理や、各商品に適した湿度・温度による保管などが可能となり、物流品質の向上に役立てることができます。

配送の最適化

効率的な配送を実現するためには、渋滞状況などにも配慮しつつ、綿密に配送ルートを考慮することが求められます。
そこで、配送管理システム・動態管理システムなどを導入すれば、リアルタイムに最適な配送ルートが把握できるなど、配送の最適化が実現できます。
これにより、速やかな配送が可能となり、顧客満足度アップにつながることも期待できます。

付加価値をつける

IT活用すると、物流業務が効率化され、顧客の要望やニーズにも応えやすくなります。
これにより、顧客にとって付加価値の高いサービス提供が可能となり、同業他社との差別化にも役立ちます。
また、業務効率化によって働きやすい環境整備することで、従業員にとっても働きやすい職場環境を提供することができ、人材の定着にもつながります。

コスト削減

IT活用によって省人化や業務効率化が達成されると、多くの人材を雇う人件費や残業代などのコスト削減につながることが期待できます。
また、配送の最適化は、最短距離での配送につながるため、燃費削減にも役立ちます。
このほか、IT活用とともに電子化(ペーパーレス化)を推進することで、印刷代・用紙代・請求書発送などにかかる通信費などの削減にもつながります。

物流業におけるIT活用のデメリット

物流倉庫で働くスタッフが考えている写真

物流業におけるIT活用には多くのメリットがある反面、以下のように気をつけたいポイントもあります。

システムの老朽化が進み、アップデート・DX化が難しい

自社システムの老朽化が進んでいる場合、アップデートやDX化が困難な可能性が考えられます。ただし、そのまま放置すると、さらにアップデートやDX化が難しくなることが懸念されるため、早めに対策を講じた方が良いでしょう。併せて、データや業務の標準化を進めると、アップデート・DX化がスムーズになるケースもあります。

現場が対応できない/不安視している

IT活用によって業務フローが変わると、初めは現場がうまく対応できない可能性が考えられます。また、新システムの導入などにより、覚えることが増えるのではないかと不安視する従業員もいることでしょう。可能な限り、現場の不安を取り除き、スムーズに対応できるよう、従業員への説明やヒアリングを実施することが重要です。

物流業におけるITの活用事例

IT活用が行われている倉庫で仕事の風景

ここからは、物流業におけるIT活用の2つの事例を見ていきましょう。

  • 在庫管理システム
  • 物流管理システム

在庫管理システム

在庫管理システムとは、効率的に詳細な在庫管理を実施するためのシステムです。
少ない在庫であれば人力・アナログでの管理も可能ですが、在庫数や種類が多い場合には、業務負担が増大します。
在庫管理システムを導入することで、上記のような課題を解決できるほか、受注・返品・追加注文などを含む細かい在庫数の増減にも無理なく対応できるようになります。また、アナログ管理で発生するヒューマンエラーの防止にも役立ちます。

物流管理システム

物流管理システムとは、物流業務をワンストップで管理することが可能なシステムです。物流管理システムは、主に倉庫管理と配送管理の2つに大別できます。

倉庫管理システム(WMS=Warehouse Management System)

入荷管理・在庫管理・出荷管理をメイン機能とするシステムです。適切な在庫管理を通じ、入荷から出荷までを円滑に実施できるようにサポートします。

配送管理システム(TMS=Transport Management System)

配車管理・進捗管理・実績管理をメイン機能とするシステムです。効率的な車の手配や配送計画の立案、日報の自動作成などを通じ、配送業務の効率化をサポートします。

物流業でITを導入する際のポイント

IT活用が行われている業者の配達員が運転をしている写真

物流業でITを導入する際は、以下2点のポイントを押さえておきましょう。

  • 導入する目的を明確にする
  • 目的に応じて部分的な導入も検討する

導入する目的を明確にする

IT導入する際は、導入の目的を明確にします。
導入の目的が明確でないと、IT化の恩恵が小さい部分に多くの投資をしたり、逆に、本当にIT化すべき部分が手つかずになったりする可能性があるからです。
IT導入の目的を明確化するためには、自社の課題をしっかりと把握する必要があります。そして、自社の課題が解決できるようなシステムを導入・構築しましょう。

目的に応じて部分的な導入も検討する

物流業務には多くのステップがあり、その全てを早急にIT化することは、困難なケースも多いです。
具体的には、費用面や現場のキャパシティほか、顧客や他社の関係で、思うようにIT化が進まない可能性もあります。
そこで、IT化しやすいステップ、あるいはIT化のメリットが大きいステップを優先的し、部分的にIT化を進めると良いでしょう。

日本郵便が提供する物流のIT導入・活用サポート

会議風景の写真

日本郵便は、以下のようなサービスの提供を通じて、事業者のIT導入・活用を支援しています。

受注システムの構築

複数のウェブサイトからの受注を一元管理できる受注システムを構築します。

クラウド型倉庫管理システムの構築

在庫管理・消費期限管理・同梱物制御などの機能を備えたクラウド型倉庫管理システムを構築します。

e内容証明

インターネット上で24時間受付可能な、内容証明郵便の電子化サービスです。

コンピュータ郵便

郵便局へ印刷用データを提出することで印刷・封入・封かん・ チラシやパンフレットの同封・発送を代行します。

ゆうパックプリントsky

ECモールの受注CSV取込機能はもちろん、細やかな出荷指示調整機能に対応した、クラウドタイプの送り状作成サービスです。お客さまのデータを複数のユーザーで共有することも可能です。出荷倉庫が複数あるお客さまや、出荷規模の大きいEC事業者さまにおすすめです。

送り状作成システム

お客さまのシステムから受注情報などをあて名ラベルの情報としてリクエストいただくことで、ゆうパックなどのあて名ラベルのPDFデータを提供するAPIです。

送り状作成システムのイメージ

まとめ

物流業において、ITを上手に活用することで、人材不足などの課題解決が期待できます。また、業務効率化・品質向上・配送最適化・コスト削減ほか、付加価値をつける際にもITが役立つでしょう。

実際に、在庫管理システム/物流管理システムの導入・構築などを通じて、IT活用する企業も増えています。

なお、IT導入の際には導入目的を明確にした上で、現場へのフォローをしっかりと行います。現場への負担や予算などの問題がある場合は、部分的に導入してゆくのも良い方法です。
日本郵便は「受注システム」「クラウド型倉庫管理システム」などの構築を通じた、事業者のIT導入・活用支援以外にも、事業者の多様なニーズに応えた各種物流サービスを提供しており、以下のような課題解決にアプローチできます。

  • 物流業務全般をアウトソースしたい
  • 一時的に物流作業をアウトソースしたい
  • アナログ・人力での管理が難しくなってきた
  • 検品・ピッキングのミスが多い
  • 非効率的な丁合作業を実施している
  • 物流拠点を各地に分散させたい

日本郵便は、ワンストップな物流支援を通じ、包括的なソリューションをご提供できる点が大きな強みです。上記のような物流課題を抱える企業はぜひ、日本郵便の物流サービスをご利用ください。

参照:ワンストップ物流ソリューション

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