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導入事例 株式会社江戸てん様

Business with JAPAN POST

UGXを利用して越境ECに成功
売上シェアの30%に成長

茨城県南部の取手市に所在する「株式会社江戸てん」。たった数名の従業員数で和物の製販一体ビジネスを確立し、2019年には年商1億2,000万円以上まで業績を上げています。今回は日本郵便の国際宅配便サービスUGXを活用した越境ECの展開方法と、独自のECビジネススタイルについて、代表取締役の穴沢あけみ氏にお話をお伺いしました。

Profile

株式会社江戸てん

代表取締役 穴沢 あけみ さん

Akemi Anazawa


短大卒業後、銀行系システムエンジニアとして勤務。結婚、出産を機に独立し、2005年に edoten.com を創業。2014年にアマゾンUS店、2015年にアマゾンEU店を開設。2017年に取手市東に事務所兼作業場をオープン。

行き着いたのはUGXを利用した自社発送

海外に目を向けて越境ECを開始したのはいつ頃ですか?
穴沢本格参入は2014年です。実は2005年の創業当初から海外の問い合わせがありました。江戸てんはヤフー・オークションから始めて、自社サイト、ヤフー・ショッピング、楽天市場、アマゾンJPと、当時は国内ECサイトのみ出店していたのですが、多くの注文が嬉しくて、寝る間も惜しんで対応したのを覚えています。
その後、海外からの注文が増えていく中で、「新たな販売チャネル」として越境ECに取り組めばさらに売上を伸ばせるかもしれないという考えが強まってきました。
そして2014年にアマゾンが日本の出店者に対して米国アマゾンでの販売サポートを開始します。これを機に江戸てんアマゾンUS店を設立しました。本格的な越境ECのスタートはこの時です。
国内ECとの違いに戸惑いはありましたか?
穴沢多くの方が最初に抱える課題として通関手続きと関税の支払い方法があります。この2点をクリアしないと越境ECで売上を伸ばしていくことは難しいです。
通関手続きは、慣れない中で英文の書類を自分で作成していると信じられないくらいの時間と労力がかかって他の業務に全然手が回らなくなります。結果、書類作成などに手を取られて商品のお届けまでに時間がかかり、開始当時はお叱りの言葉をいただいたこともありました。
次に関税の問題ですね。最も身近な海外宛て配送方法となる国際郵便サービスですが、関税は原則お客さまが支払わなければなりません。
たしかに。日本郵便の「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」は事業者さまのそうした声を背景につくられたサービスでした。
穴沢UGXを使うことで越境ECにおけるさまざまな問題が解決していきました。
まず一番大きいのは関税元払いが出来るので関税の支払いについて悩むことがなくなることです。
さらにWeb上で情報を入力すれば、発送用ラベルやインボイスを簡単に作成できるサービス(オンラインシッピング)もあります。これにより発送作業がスムーズになりお客さまから「早く送ってくれてありがとう」とレビューを頂いたこともあります。
オプションサービスの「UGX Amazon FBA相乗り配送サービス(以下、FBA相乗り)」もとても便利なサービスです。このオプションサービスはUGXのメリットがより強化されています。
特に通関に必要な書類の作成が不要というのは越境ECをスタートした直後の店舗には大変魅力的です。慣れない内は書類に不備などがあって税関で荷物が止められるトラブルがたびたび起こっていましたが、このサービスを利用してからはそれもなくなりました。
さらに米国アマゾンでの販売サポートを受けるにはインポーター(代理輸入者)に商品を送ってから米国のアマゾンに届ける必要がありましたが、このサービスではそれも不要になります。発送もとても簡単なのでパートさんに一任することができます。
日本郵便を利用することで集荷対応してもらえることや、禁制品に関する照会にも親身に対応いただけるなど、さまざまなメリットを享受できるので越境ECの身近なパートナーとして大変頼りにしています。
現在の江戸てんはFBA相乗りではなく、通常のUGXを利用して直接発送されています。
穴沢通常のUGXを利用している理由は、輸出者(発送元)が「江戸てん」となるため、消費税還付手続きに必要な書類を「江戸てん」の社名ですぐに取得でき、税務処理を簡素化できるというメリットがあるからです。
UGXの料金やサービスの質についてはいかがですか?
穴沢日本郵便以外の海外配送サービスだと、地方から日本国内の海外発送拠点まで別途送料がかかる場合がありますが、UGXはこうした出費がなく、しかも配達が早い。現在はインボイスの記載作業も慣れてきて、米国なら発注を受けてから1週間以内に商品を届けられています。
海外発送比較イメージ

全体売上の30%が越境ECに

越境ECの業績はいかがですか?
穴沢越境ECは毎年売上が増加し、売上全体の30%近くまで成長しました。売り方によっては国内販売を伸ばすよりも海外に目を向けた方が期待できる商品もあります。
ただし、国内ECモールに留まって海外販売を増やすのは正直難しいと思います。江戸てんは米国だけでなくイギリス、ドイツ、スペインにも出店しました。現状、対応できる範囲を絞って展開していますが、嬉しいことにファンがどんどん増えてます。先日もSNSのインスタグラムに商品画像を掲載したら、海外の方が「購入して気に入っている。友だちに紹介したよ」とわざわざ個別チャットからコメントをくださいました。
プリント機械

2018年には事務所にプリント機械を導入。トレンドに細かく素早く対応できる。

グラフ

越境ECを導入して以降、国内外の固定客をつかみ、売上は大幅に増加。

越境ECを軌道に乗せるポイントはなんですか?
穴沢現地の販売傾向を分析して把握し、ニーズに合った商品を提供することです。たとえば欧米では日本のイメージがわかりやすいもの、しかも派手なデザインが好まれます。
さらに私たちは製販一体によってサイズを5Lまで対応している点も評価を得ています。先だって日本国内のホテルにインバウンド観光客向けの33cmの雪駄(せった)を納品しました。本来、雪駄はかかとをはみ出して履くものなんですが、海外の方はスリッパみたいに履くようです。国内ではもっと玄人好みで抜染や捺染など本格的な商品を選ばれる傾向があります。
商品イメージ

同じ柄の和物でも海外ではカラフルなもの(左)が好まれ、国内では抜染や捺染といった特殊な染色(右)が好まれている。

江戸てんの今後の展望をお聞かせください。
穴沢日本にはすぐれた技術を持つ和物メーカーがたくさんあります。でもその多くが越境ECを行っていないようです。今後はメーカーとも協力して江戸てん商品を製作していきたい。
またWebサービスは進化しています。一昔前と比較して現在のWeb翻訳は優秀に訳してくれます。業績はこうしたITの発達に合わせて伸びていくでしょう。もちろん私たちも追いつくために勉強しなければなりません。“自分で頑張ればできる”。それがECビジネスですし、きっと世の中もそのように変化してきたのではないでしょうか。
私たち日本郵便は、穴沢さんが江戸てんのコア業務である“ものづくり”にもっとフォーカスできるように、物流面のサポートメニューを精査してもっと便利なサービスをご提案し、ご提供していきたいと思います。
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UGX

「ゆうグローバルエクスプレス(UGX)」は、海外の優れた物流事業者と提携し、商品やサンプル品、贈り物などを、安定した品質で、簡単・確実に送る海外向け小口荷物の宅配サービスです。従来の国際郵便サービスを補完し、お客さまのご要望に沿ったハイグレードなサービスをご提供いたします。

UGX Amazon FBA 相乗り配送サービス

米国・カナダ・英国・ドイツ・豪州AmazonのFBA利用者向けに、通関に必要な書類作成や、面倒な配送作業を代行するサービスです。
FBAの納品条件である関税元払い対応、複数個口扱いによる配送コストの削減などにより、FBAへの配送方法として導入いただくことで、スムーズな納品を実現します。

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