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メーカー直販の事例を紹介!アウトソースによる変化や課題解決のポイントは?

2024年1月25日
物流倉庫の写真

商品をユーザーへ直接販売する「メーカー直販」。今回は、自転車事業を手掛ける株式会社フジモリ様の事例をご紹介します。株式会社フジモリ様がメーカー直販を始めたきっかけ、日本郵便への物流アウトソースを決めた理由、アウトソース後の変化・メリット、今後の展望までがご覧いただけます。

メーカー直販の事例|株式会社フジモリ

ECサイトの写真

株式会社フジモリ様は、1963年に設立された、自転車・フィットネス用品の卸売業をメインとする企業です。富山県高岡市に本社を構え、自転車本体・自転車関連用品の卸・小売、フィットネス用品の卸売、そしてサイクルショップ「URBAN BIKES VELOA」の運営を行っています。

経営理念として「人々の生活を健康的で快適なものとするため、新たな価値の創造から、より良い商品とサービスを提供し、社会に貢献し続けること」を掲げています。

また「業界の先進企業として社員一人ひとりが常に新たな課題に挑戦し、自己成長し続け、関わる全ての人から信頼され、仕事にやりがいを持って、社員全員で物心両面の幸せを実現すること」をビジョンとしています。

そんな株式会社フジモリ様が、時代の変化を踏まえ挑戦したのが「メーカー直販」でした。

直販を始めたきっかけ

当時、自転車用チャイルドシートのような商品を手軽に買える店があまりなかったことが、メーカー直販を始めたきっかけです。そこで、小売未経験ながら、2011年にネットショップを運営するEC事業部を開設しました。

自転車卸販売で北陸3県のトップシェアを誇るものの、最近は自転車販売店にも少子高齢化の波が押し寄せ、後継者不足などで廃業する取引先が増えています。それに伴って売り上げも減じてきたため、個人のお客さまへの販路拡大を模索するようになりました。規模が縮小しても自転車の卸販売は「原点であり、主力事業」という位置付けです。一方で、大切な取引先と競合するわけにもいきません。

そこで、自転車そのものではなく、自転車用チャイルドシートのような関連商品を販売することを発案しました。

これまでにないデザインや機能性が大きな支持を集めるチャイルドシート用レインカバーを自社開発

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株式会社フジモリ様は、2015年に自社ブランド「LABOCLE(ラボクル)」を立ち上げました。デザインと機能性を兼ね備えた「より良い自転車アイテムを開発する研究所」をコンセプトに生まれたブランドです。中でもオリジナル商品のチャイルドシート用レインカバーは、高い人気を獲得しました。

例えば「LABOCLEプレミアムレインカバー」は、スタイリッシュなデザインだけでなく、高い天井・広い空間、乗せ降ろしのしやすさ、日よけネットの内蔵など、高い機能性も備えます。さらに開閉しやすいボタン式カバーを採用し、巻き上げ機能付きとカバー前面の通気口で通気性も確保でき、二重縫製と厚手の生地で耐久性もあるほか、3ステップで簡単に取り付け可能です。

株式会社フジモリ様は、このような人気商品をECモール出品し、順調に売上を拡大してきました。一方、EC事業の成長に伴い、新たな課題も生じることとなります。

出店2年目で月商1,000万円を突破

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販売した自転車用チャイルドシートの取り付け方に関するお問い合わせに電話などで丁寧に応じるといった対応が功を奏し、出店2年目で月商1,000万円を突破しました。楽天市場に続いてYahoo! ショッピング、Amazon、au PAYマーケットといったECモールにも出店し、業績はその後も伸長。現在は約3,000の商品を扱い、売り上げ全体に占めるEC事業の割合も増えました。

なお、メーカーと協力して開発したオリジナル商品は、 ECサイト全体の約2割の売上に達しました。

BtoCでは、お客さまの商品に対するさまざまな要望が売り手にダイレクトに寄せられます。「お客さまが求めるより良い商品をご提供したい」との思いから、自社ブランド「LABOCLE(ラボクル)」を立ち上げ、お客さまの声を積極的に集め、オリジナル商品の自転車用チャイルドシートレインカバーを販売しています。デザイン性と機能性を付加したオリジナル商品は、いずれもお客さまから好評です。

物流のアウトソースを決断したきっかけ

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EC事業の成長が、アウトソースを決断したきっかけです。

EC事業が成長するにつれて、出荷を担当する社員の負担も大きく増し、業務負荷を軽減する必要に迫られました。

最大の繁忙期は新生活の準備をする人が多い3月で、加えて出店先のECモールが年に何度か開催するセール期間中も受注が増えます。ただし、繁忙期だけ臨時スタッフを確保するのは容易ではなく、人材育成にも時間がかかります。膨大な商品の中から受注品を素早く正確にピッキングするには、品番を見て商品がどこにあるか分かるほど、業務に精通していなければなりません。

同時に、商品の置き場も課題となりました。

自社ブランド商品はある程度のロット数でなければ製造を依頼できず、1回の発注分だけでも相当の個数です。商品を傷めないよう4箱以上には積まないルールにしているため、社屋内の保管スペースが飽和。本社隣接の建物を倉庫に改築したものの、そこも手狭になりました。

このような背景から、商品の保管や出荷業務の一部委託を考えました。日本郵便はもともと配送依頼していた業者の1つで、富山西郵便局内の富山LSCへの委託前から、高岡郵便局に集荷を委託していました。

以前より各社からロジスティクスサービスの提供を提案されていましたが、その中で日本郵便を選んだ理由は、高岡郵便局による集荷作業が、常に丁寧な作業を心がけていること。また、荷物の扱いが最も丁寧で、着荷に対するお客さまからのクレームが最も少ない事実があったためです。

荷物の状態の事前確認、ダンボールのへこみ・破れなどの随時報告を通じて、クレームが防止できていました。

そして、日本郵便全体が一丸となって業務を遂行する姿、営業担当者の熱心な対応・姿勢が伝わり、日本郵便へアウトソースしました。

アウトソースを実施して感じた社内環境の変化(メリット・デメリット)

アウトソース後は、社員の業務負担が軽減しました。

年間を通じてよく売れる商品であるLABOCLEを中心とした自転車用チャイルドシートレインカバーの保管・出荷業務を、2020年よりトータルで委託しているためです。納品された仕入品を富山LSCに渡し、荷受け、検品、保管・仕分け、商品ピッキング・送り状添付、出荷に至る作業のトータルなアウトソースが実現しています。

また、繁忙期でも、臨時スタッフを雇う必要がなくなりました。

以前は、繁忙期に発送用ダンボールの組み立てなど単純作業で雇っていましたが、富山LSCの利用後は社員に余力が生じ、その必要がなくなりました。

さらに、自社保管スペースの圧迫もなくなりました。

レインカバー全出荷量の一部(約1,000個)のレインカバーを富山LSCの倉庫に保管するようになったためです。

なお、ECサイトの配送コストも、一定額以上ご購入のお客さまへの送料を無料としているため、切実な課題です。しかし、日本郵便の営業担当が、自社社員がピッキング・梱包を行った場合のコストを計算し、それに近い額を提示。商品保管も合わせて、リーズナブルで満足感のある業務委託が実現しています。

アウトソースのメリットや気を付けるべきポイント

富山LSC委託後のメリット

自社倉庫の狭隘(キョウアイ)解消

  • 他社倉庫を借りる(アウトソースする)ことも検討したが、富山LSCへの委託で解消

倉庫内作業スタッフの負荷軽減

  • 受注の波動に対応をするため、作業スタッフの超勤など負担が多かったが、富山LSCへの委託で解消

繁忙期の作業スタッフ確保問題の解消

  • 繁忙期のみの臨時スタッフ募集は困難だった。ただ雇用するだけでなく、3,000SKUを超える商品のピッキングについて、精通するまで育成期間も必要だった。富山LSCへの委託で、人材募集・育成問題が解消した。
  • 人件費について固定費から変動費化が実現

コア業務(販売促進)への集中

  • 繁忙期の人材募集と育成への手間を解消
  • 営業、販促スタッフの、梱包作業等への応援を解消
  • 上記2点で営業、販促スタッフのコア業務への時間を確保

JPWMSによるリアルタイムでの在庫管理が可能となった

  • モールへの商品アップ作業のリアルタイム化による販促が可能
  • 正確な在庫数把握により、メーカーへの適正な発注数が可能

気を付けるポイント

  • 自社倉庫と、富山LSCに在庫を分散していることによる、突発的な倉庫間での在庫移動の発生
  • 投資に見合った、人件費の削減・売り上げ増加・営業利益増加については、トータルコストで検証していくことが必要

富山県高岡市から掲げる今後の戦略

今後とも、オリジナル商品の拡充を進める戦略です。

今年度に掲げたスローガン「素直な心で他者を尊重し、信頼される組織であり続けよう」にあるように、お客さまとの信頼関係を築き、続けていくため、お客さまの声をもとにした商品提供を重視しています。

大手ネットショップのような、広く流通する型番商品の価格競争ではなく、また、ただ商品のバリエーションを増やすのではなく、お客さまの潜在ニーズを満たす画期的なオリジナル商品の拡充を目指します。

EC事業にはまだまだ成長する余地があり、ECサイトの受注数は今後さらなる増大が見込まれます。ただし、いくら売り上げがアップしても、社員の業務負担が増えることは避ける必要があります。

そこで、出荷数増加や土日を含む365日の出荷でも業務負担の増えない環境を整え、社員が売り上げを伸ばすことにより前向きになれる環境の整備を、日本郵便の物流アウトソースでさらに整備する考えです。

まとめ

メーカー直販で顧客ニーズに最大限の対応をしつつ、社員が成長できる環境作りも重視する。そんな株式会社フジモリ様の物流を日本郵便が支えています。

日本郵便の物流アウトソースは「受注業務・流通加工業務・倉庫業務・商品管理業務・配送業務」までをワンストップでご提供。サービス内容は細かくカスタマイズでき、企業の物流効率・物流品質を向上します。

物流に関わる各種業務をアウトソースすることで、商品開発やマーケティングなど、コア業務に注力することが可能です。また、社員の業務負担・自社保管スペースの圧迫・繁忙期の人材確保などの課題も解決できます。

日本郵便の物流アウトソースは、ビジネスの効率化と成長を実現する手段です。メーカー直販で物流課題を抱える方は、ぜひ日本郵便の物流アウトソースをご検討ください。

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