「正倉院の宝物シリーズ　第1集」の発行

日本郵便株式会社（東京都千代田区、代表取締役社長　髙橋亨）は、日本の第一級の美術・工芸品である、正倉院の宝物を題材としたシリーズの第1弾として、特殊切手「正倉院の宝物シリーズ」を発行します。

発行する切手の内容

名称

正倉院の宝物シリーズ　第1集

発行日

2014（平成26）年10月17日（金）

種類

82円郵便切手

切手

シート構成・意匠

(1)	木画紫檀棊局（もくがしたんのききょく）・棊子（きし）
(2)	金銀平文琴（きんぎんひょうもんきん）
(3)	瑠璃坏（るりのつき）
(4)	墨絵弾弓（すみえのだんきゅう）
(5)	螺鈿紫檀五絃琵琶（らでんしたんのごげんびわ）

シート余白　螺鈿紫檀五絃琵琶（らでんしたんのごげんびわ）

1シート10枚（縦5枚×横2枚）

売価

1シート820円

小切・印面寸法

縦38.5mm×横28.0mm

シート寸法

縦222.5mm×横112.0mm

切手デザイナー

玉木　明

版式刷色

グラビア6色

発行枚数

1,200万枚（120万シート）

販売場所

全国の郵便局等
（日本郵便株式会社Webサイト内「切手SHOP」

のほか郵便振替による通信販売も行います。）（注）

（注）切手SHOPへの掲載は、発行日を予定しています。

発行する郵便切手のデザインについて

(1)木画紫檀棊局（もくがしたんのききょく）・棊子（きし）

正倉院には三面の碁盤が伝わっていますが、中でも木画紫檀棊局（もくがしたんのききょく）は最も技巧をこらしたもので聖武天皇御遺愛の宝物と伝えられています。材は紫檀で、各側面には象牙を人物・動植物などの形に切り抜き、毛彫り・淡彩を施したものがはめ込まれています。
棊子（きし）とは碁石のことで、正倉院に伝わる紅色と紺色の染象牙の碁石を切手の意匠に採用しています。

(2)金銀平文琴（きんぎんひょうもんきん）

琴は中国で成立した七絃楽器で、金銀平文琴（きんぎんひょうもんきん）は唐代のものです。琴の主たる材は桐で、黒漆を塗り重ね、その上に文様の形に切った金銀の薄板を貼り、さらに漆を塗り文様部分を炭で研ぎ出す平文技法で装飾が施されています。

(3)瑠璃坏（るりのつき）

紺色のガラス器で、外面には計二十二箇の円環を貼りめぐらせ、底には銀製鍍金（ときん）の台脚が取り付けられています。西アジア方面で作られたガラス器とされています。

(4)墨絵弾弓（すみえのだんきゅう）

弾弓（だんきゅう）とは、丸玉を弾く弓のことで、弓身に墨絵で散楽（※）図が描かれています。切手意匠には墨絵の部分と墨絵で描かれた弄丸芸（ろうがんげい）の場面が採用されています。
※散楽
中国古代雅楽に対する民間の俗楽を意味する芸能で、歌舞雑奏に次第に幻術・奇術を加え、曲芸なども加わり百戯などとも呼ばれるにぎやかな芸能として唐代に盛んになりました。

(5)螺鈿紫檀五絃琵琶（らでんしたんのごげんびわ）

聖武天皇御遺愛の宝物で、現存する古代の五絃琵琶としては世界で唯一の遺例です。琵琶の正面には螺鈿（らでん）細工でフタコブラクダに乗り四絃琵琶を演奏する人物が表されており、琵琶の背面には螺鈿とタイマイによる華麗な唐花文（からはなもん）と含綬鳥（がんじゅちょう）（くちばしで花枝をくわえた鳥の意匠）、雲が表されています。