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新たな地で、新たな人生を

函館釜谷(はこだてかまや)簡易郵便局
堀江 典昭さん

北海道・函館市にある「函館釜谷簡易郵便局」。この地域の郵便局は、前の局長のご都合により窓口を閉鎖しておりました。このWebサイト等で新しい簡易郵便局長を募集していたところ、お問い合わせいただいたのが、当時、東京にお住まいだった堀江局長でした。

東京からの移住を決断し、地域のお客さまのために働く堀江局長の想いを伺いました。

簡易郵便局長になろうと思ったきっかけを教えてください。

私は、東京都内で金融機関に23年ほど勤務していました。長年同じ仕事を続けてきて、「自分の人生でやりたいことっていったいなんだろう」と考えるようになりました。そんな心境のなか、たまたま日本郵便のWebサイトを閲覧していたところ、この「簡易郵便局受託者募集」のページを見つけました。「郵便局って個人で始められるんだ」と、強く興味を惹かれたのがきっかけですね。

どこに魅力を感じましたか?

働き方で言えば、個人事業主としての厳しさはあるでしょうが、転勤も定年もなく、地域に根差した金融サービスを提供することができることがとても魅力的に感じました。
また、地方が抱えている高齢化や働き手不足の課題に対しても、自ら前向きに地方移住を実践することで、課題解決に多少なりとも寄与できるのではないかと考えました。

不安はありましたか?

おおありでした(笑)。かなり悩みました。独立はおろか、転職もしたことがない。そもそも「受託者になる資格が自分にはあるのか?」、さらには「簡易郵便局をしっかり運営できるのか?」などなど、不安だらけでした。

それでも、「これが自分の人生でやりたいことなのかな」って感じて、最終的には移住と開業を決意しました。

なぜ移住先に函館を選んだのですか?

地域選びに関しては、自身の生活基盤も変わることから、他の候補地として奈良県や沖縄県などと、大いに悩みました。初めは、全国にある募集地域のなか、関東近郊で探していましたが、何れにしろ転居が伴うことから、地域にこだわらず全国から探すことにしました。

その中でも函館は日本有数の観光地なので、元々良いイメージを持っていました。夏でも過ごしやすい気候ですし、地方都市として利便性がいい。

実際に函館に足を運んだときに、たまたま近隣の簡易局に伺ったところ、そこの局長が簡易局運営について非常に詳しく、局舎や補助者の確保についても親身になって相談にのってくれました。そこが最終的な決め手ですね。

きれいな局舎ですね。

局舎の準備については、はじめ初期投資を抑える為にも賃貸物件を探しましたが見合うものがなく、一から新しく局舎を建てることになりました。

土地探しは、当該地域の不動産情報がとても少なく苦労しましたが、建物に関しては、地元の工務店さんが親身になってくれたお陰でとても気に入っていますね。

簡易郵便局までは車で通勤されているのですよね?

職場と自宅は別にしたいと考えていたので、通勤には車で30分程です。それでも、翌日に悪天候が見込まれる場合に備えて、寝袋を用意して局舎に泊まれるようにしてあります(笑)

住まいは局周辺ではありませんが、住民の方々が地域のことを色々と親切に教えてくれます。地理感、風土がわからない移住者としては大変ありがたいことですね。

移住先の開業準備は苦労が多かったのではないですか?

堀江局長(奥)と
補助者の山田さん(手前)

定期的に東京と函館を行き来して準備をしました。一番懸念していた補助者※1探しに関しては、近隣の簡易郵便局長が郵便局OBの方を紹介してくれて、とても助かりました。経験豊富な方なので非常に心強いです。

他にも北海道支社簡易局担当や函館の簡易局サポートマネジャー※2の皆様が熱心にサポートしていただきましたので、スムーズに準備できました。大変感謝しております。

(※1補助者・・・受託者以外に簡易郵便局の業務に従事する方)

(※2簡易局サポートマネジャー・・・簡易郵便局を定期的に訪問し、窓口業務の支援・点検といったサポートを行う日本郵便の社員)

実際に簡易郵便局を運営していかがですか?

用件は何であれ、お客さまから「ありがとう」と言われることは、不思議なくらい嬉しいものですね(笑)。開業まで苦労した分、一人ひとりのお客さまの大切さを実感します。サラリーマン時代とは違う種類の充実感を感じています。

最近は、高齢者のお客さまが利用しやすいように入口に手すりをつけました。「安心・親切・丁寧」をモットーに、地域のみなさまに末永く愛される簡易郵便局運営をしていきたいですね。

地域には馴染めてきましたか?

まだまだこれからですね。初めは聞きなれない方言に戸惑うこともありましたが、だいぶ慣れてきました(笑)。

地域のみなさまから「郵便局が近くにできて助かるよ」というお言葉をいただいています。これから時間をかけながら少しずつ地域に浸透していきたいですね。

余談ですが、夏場ですと野生のキタキツネやエゾシカなどが姿を見せることもあります。東京では味わえない北海道の大自然を感じ、心和ませてくれますよ。

これから開業を考えている方へメッセージをお願いします。

堀江局長(左)と
補助者の山田さん(右)

私は、簡易郵便局の運営を通じて、自分がやりたいことが実現したと感じています。実現には、途中ハードルもたくさんありましたが、局の関係者の皆様にサポ―トいただいたことが大きな後押しになったと思います。

開業してからも、引き続き他の簡易郵便局長や、サポートしてくれる郵便局の社員の方々がいるので安心です。

開業前のことも開業後のことも、もし不安がある方は、まずは支社に問い合わせて相談してみるといいですよ。もちろん、私で良ければ、問い合わせていただいても構いません。何かしらお役に立てればと、考えていますので。