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メーカー仕入れは展示会がおすすめ!取引の流れや交渉の進め方を解説

2024年3月29日
展示会会場の写真

販売業をする上で、仕入れ先探しや仕入れ交渉は重要な要素です。仕入れ先を検討する際、メーカーの商品が集まる展示会に参加するのがおすすめです。

この記事では、メーカー仕入れで展示会をおすすめする理由と、展示会から交渉・取引までの流れ、そして展示会に参加する際の準備や注意点をご紹介します。仕入れ先を探している方や展示会への参加を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

メーカー仕入れで展示会がおすすめの理由

展示会会場の写真

販売業でメーカーから仕入れをするなら、展示会に行くのがおすすめです。

展示会とは、メーカーが製品やサービスを展示し、卸業者など仕入れ業者の買付け担当者に実物の商品を紹介するイベントです。展示会には通常、業界内の多数のメーカーが参加し、各社の新作や目玉商品を展示します。仕入れ業者の担当者は、展示会に参加することでたくさんの商品を知ることができます。

商品の仕入れで展示会を利用するのがおすすめの理由は、主に以下です。

  • 認知度の低い優良メーカーと出会える
  • サンプルを大量に入手できる
  • 担当者と直接つながりを持てる
  • 仕入れ価格を抑えられる場合がある
  • 市場のトレンドや最新情報を知れる

それぞれ、説明します。

認知度の低い優良メーカーと出会える

展示会には、業界内の有名メーカーはもちろん、認知度を獲得したい中堅企業、スタートアップ企業も参加しているため、知られざる優良メーカーと出会える点がメリットです。

展示会は、業界内の多数のメーカーが商品を出品します。有名ではなくても、いい商品を取り扱っているメーカーはあります。中小企業はネットで商品を販売していないことが多いですし、新規参入の企業であれば世間に知られていない可能性が高いです。そのようなメーカーは商品の品質が良くても知る機会がないため、展示会が貴重な出会いの場となります。

大手メーカーは仕入れの条件が厳しく、法人でなければ契約が難しい場合も多いです。しかし、認知度の低いメーカーは取引先も多くはないため、契約を結びやすくコミュニケーションが取りやすい傾向があります。

サンプルを大量に入手できる

展示会では、商品サンプルを大量に入手できます。食品であれば味を、使用するものであれば使用感を実際に確かめてみないと、商品の良さがわからないでしょう。そのため、展示会に出品しているメーカーは、自社商品の魅力を伝えようとサンプルを配っています。

サンプルが配布されている商品以外にも、展示してある商品を実際に手に取って確認すればカタログで見るよりも、商品の良い点・悪い点に気づけます。また、商品がサービスの場合は展示会でサービスの体験ができる場合があります。

このように、直接商品を手にして実感した内容は、良い商品を仕入れるのに大いに役立ちます。

担当者と直接つながりを持てる

展示会では、メーカーの担当者と直接つながりを持てます。

普段は、実際に仕入れをするために問い合わせをする以外には、メーカーの担当者と知り合う機会はなかなかありません。しかし、展示会ではメーカーの担当者が現場にいて、商品について説明してくれます。仕入れの候補に入っていなかった商品が、話を聞いてみると非常に良いものだとわかることもあるでしょう。

また、名刺等で連絡先を交換しておくと、今回は取引をしなかったとしても、メーカーが新商品を出す際に情報を送ってきてくれる可能性もあります。このように、業界メーカーの担当者とつながりを築くことで、今後の仕入れに役立つと考えられます。

仕入れ価格を抑えられる場合がある

これまでメーカーから直接買い付けていない場合は、展示会で仕入れをすると仕入れ価格を抑えられる可能性が高いです。

メーカーを1件ずつ当たって交渉から契約をし、商品の仕入れをするのは非常に大変です。そのため、ネットや卸業者などを通して仕入れをしている店も多いでしょう。

しかし、価格に関しては、直接メーカーと契約した方が卸値で仕入れができてお得です。展示会であれば、商品の質と値段の確認や他メーカーの品との比較、条件のすり合わせなどを一度に行えるため、労力を抑えながら、価格を抑えた仕入れができると期待できます。

市場のトレンドや最新情報を知れる

展示会は、業界メーカーの商品が一堂に集まる場です。そのため、市場のトレンドや最新情報を知れます。

複数のメーカーの新商品に共通点があれば、それが市場のトレンドとなる可能性が高いです。また、最新技術を使用した商品や、まだ認知されていないまったく新しいタイプの商品も見ることができるため、業界内の最新情報をいち早く知るきっかけともなります。同業者やメーカー担当者と世間話をする中でも、貴重な情報を得ることができるでしょう。

トレンドを早く把握することにより、需要が高まるタイミングで仕入れ・販売をすることができます。また、新しいタイプの商品はどのようなものかわからないままだと仕入れのハードルが高いため、展示会で実際に確認できるのが大きなメリットとなります。

展示会での商品仕入れの取引の流れ

展示会で出店企業とやり取りする人の写真

展示会で出会ったメーカーから商品を仕入れる流れは、以下の通りです。

展示会で出会ったメーカーから商品を仕入れる流れのイラスト

1〜5までの工程について、詳しく解説します。

①気になる企業のブースに行く

展示会のパンフレットで気になった企業や、あらかじめ目星をつけていた企業があれば、ブースに行きましょう。

展示会には多くのメーカーが参加しているため、端から順番に時間をかけて回ることが難しい場合もあります。通常、参加企業が一覧となった冊子をもらえますので、気になる企業を中心に直接ブースを訪問し、商品を確認していくことをお勧めします。

また、「ずっと気になっていたけれど商品は直接見たことない」というものが、展示会に出ていることもあるでしょう。問い合わせをするとなると、契約を前提とした話になるためハードルが高いですが、展示会は気軽に商品を確認できる絶好の機会です。せっかくの機会ですので、自分で商品を確認するだけではなく、担当者からも商品の説明をしっかり受けましょう。

②担当者と名刺交換する

ブースを訪れたメーカーとは、担当者と名刺を交換します。

ビジネス相手との関係は、名刺交換から始まります。「契約はしないかな」と思ったとしても、今後どのような縁に発展するかわからないため、名刺交換はしておきましょう。

展示会では、複数のブースをまわります。また、ブースの担当者以外も同業者など展示会で交流した人には名刺を渡すことになります。そのため、足りなくならないように多めに名刺を持っていきましょう。

たくさんの人と名刺交換をすることになるので、展示会の参加前には名刺情報を確認し、必要があれば新しいデザインのものを準備することをおすすめします。他にも、事業を理解してもらうのに役立つ資料などがあれば、それも持参すると良いです。

③双方の取引条件を確認する

ブースを訪れメーカーの担当者と名刺交換をしたら、仕入れの条件などを確認します。

展示会はメーカー担当者と直接話をして、聞きたいことを尋ねられる貴重な機会です。商品の品質だけではなく、取引の条件なども実際に仕入れるかの判断にとって重要なので、しっかりチェックしておきましょう。

具体的には、以下のようなことを確認します。

  • 仕入れ価格
  • 最低発注数量
  • 販売プラットフォームの条件
  • 発注から納期までの期間
  • OEMが可能か
  • 原産料や生産国

メーカー側からAmazonや楽天などモール型のECサイトでの販売を禁止されるケースがあります。検討の末に仕入れることにしてから条件が合わないとわかると、再び仕入れ先を探さなくてはいけなくなるため、商品と一緒に諸々の条件も確認しておくことが大事です。

④展示会後に商品のリサーチをする

展示会から帰ったら、仕入れできそうな条件の商品についてリサーチをします。

展示会では、メーカー担当者から商品についての説明を聞けます。しかし、売り手側は商品の魅力をわかってもらいたいため、商品の欠点や課題となる点はあえて伝えないでしょう。その商品についての情報を集め、実際に仕入れた場合にメリットがあるのか検討しましょう。

商品についてリサーチする具体的な内容は、主に以下です。

  • その商品で利益を出せるか
  • 競合商品は何か
  • 口コミはいいか
  • 売れる見込み(需要)はあるか

展示会に参加する時点でめぼしい商品があれば、参加前に上のことを調べておくのもおすすめです。調査してから参加すると、調査中に感じた疑問点などを担当者に尋ねたり、商品について深い話ができたりします。

リサーチの末に販売すると判断したら、仕入れ交渉に移ります。

⑤本格的な仕入れ交渉を持ちかける

仕入れをしたい場合、本格的な仕入れ交渉をメーカーの担当者に持ち掛けましょう。

まずは、展示会で貰った名刺にある連絡先に、商品を仕入れたいと連絡をします。基本的にはメールで連絡するかと思います。メールが見逃されないよう、仕入れしたい旨を件名にも入れるのがポイントです。返信にて、メーカーから具体的な発注の流れが送られてくるはずです。また、展示会後にはメーカーからブースの訪問に対し、お礼のメールが届くこともあります。お礼メールが来た場合は、返信に仕入れしたい旨を書きましょう。

展示会の交渉で取引の条件は一通り確認しているかと思いますので、再度条件の擦り合わせた上で、メーカー側の同意が取れれば仕入れの契約が成立します。昨今は取引先とオンラインミーティング機能で打ち合わせを行う場合も増えていますが、展示会で直接会っているため、コミュニケーションが取りやすいでしょう。

展示会に参加する方法

PCで作業をする人の写真

展示会に参加するには、まず仕入れたい特定の業界の展示会や、興味のある展示会を探す必要があります。

国内の展示会情報は、JETRO(日本貿易振興機構)の下記サイトで確認できるため、一覧の中から参加できるものを選ぶのも良いでしょう。

【参考サイト】

日本の見本市・展示会 | 世界の見本市データベース(J-messe) - ジェトロ (jetro.go.jp)

会場のホームページで展示会情報が公開される場合もあるため、アクセスしやすい会場をピックアップして、そこでどんな展示会が開催されるかチェックするのもおすすめです。

興味のある展示会を見つけたら、基本的に公式ホームページから参加の申し込みが行えます。

ただし、事業規模などの条件が設けられている展示会は、条件が合わなければ参加できません。参加者が法人に限られており、個人で参加できないこともあるため、事前によく確認することをおすすめします。

展示会に参加する前にしておくべき準備

やることリストのボードの写真

展示会に参加する前には、しっかりと準備しましょう。

展示会前の準備は、主に下記の5点です。

  • 名刺やショップのパンフレットの作成
  • 商談に適した服装や持ち物の準備
  • 出展企業のリサーチや質問の準備
  • 出展企業のブース位置・ゾーンの確認
  • 仕入れ交渉に使う専門用語の確認

それぞれ解説します。

名刺やショップのパンフレットの作成

展示会に持参する用の自分の名刺や自社ショップのパンフレットを作成します。

当日はたくさんの人と名刺交換することになるため、名刺を多めに印刷しておきます。また、メーカーの担当者は展示会で多くの人と名刺交換するため、一人一人の顧客が印象に残りにくいと予想されます。名刺を見やすく、他とは一味違うデザインにしておくことで、印象に残りやすくなるでしょう。個人で販売をしている方は名刺を持っていない場合があるかもしれませんが、展示会前に作成しておくことをお勧めします。

名刺には、以下の内容を記載します。

  • 職種/役職
  • 氏名
  • 屋号/事業名
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 事業所があれば事業所住所

名刺は「何をしている誰で、どこが連絡先か」を示すことが目的です。個人事業主で住所が自宅である場合は、住所は省くことも多いですが、法人の場合は上記に加えて事業所の住所も記載しておきましょう。

また、事業内容についてのパンフレットがあると、事業について理解してもらいやすくなります。どんな事業をしているか、どんなショップで商品が販売されるのかわからない顧客とは、契約したくないと考えるメーカーもあるでしょう。信頼を得るために、事業内容や企業の基本情報をまとめた冊子を作りましょう。特に個人で事業を行っている場合は、どんな事業かわかるパンフレットがあると信頼度が上がります。

商談に適した服装や持ち物の準備

展示会に持って行くものや着て行くものを、事前に準備しておきます。

展示会はビジネスの場です。メーカーの担当者に好印象を持ってもらえれば、商談も良い方向に進みやすいでしょう。そのため、スーツやジャケットなどフォーマルまたはビジネスカジュアルの服装を着ていきます。業界によってはラフな服装でも浮かない場合もありますが、展示会に初参加するなら襟付きのシャツにジャケットといった格好をしておくと間違いないでしょう。広い会場を歩きまわるので、靴は履き慣れたものがおすすめです。

持ち物も前日までに揃えておきます。主な持ち物は以下です。

  • 名刺やパンフレットなどの配布物
  • メモ帳
  • 筆記用具
  • 大きめのバッグ

複数のメーカーとやり取りをすると、それぞれの担当者から聞いた内容を忘れてしまいます。そのため、ブースで担当者から話を聞く際にはメモをとるのが必須です。また、サンプルやカタログなどメーカーから貰ったものを入れる用に、バッグは大きめのものを持参しましょう。

出展企業のリサーチや質問の準備

出展企業についてのリサーチをし、質問内容を考えておきます。

1つのブースにつき、話を聞ける時間は限られています。そのため、どの企業のブースを優先して回るかをある程度決めておき、聞きたいこともまとめておくと、当日スムーズに活動できます。

出展企業については、主に以下のことを事前に調べておくとよいでしょう。

  • 商品は売れているのか
  • 競合は多いか
  • 市場は大きいか
  • ECモールなどで商品を取り扱っているか

また、用意しておく質問の例は以下です。

  • 最小発注数量はどれくらいか
  • 大量発注した際に割引はあるか
  • 個人からの発注は受け付けているのか
  • 発注から納品までどれくらいか
  • 品質管理はどのように行っているのか
  • 見積もり依頼に必要な情報を教えてほしい

メーカーごとに同じ質問をして回答を比較すると、仕入れ先の選定時に役立ちます。

出展企業のブース位置・ゾーンの確認

当日は、限られた時間の中で広い会場を回ります。出展企業を効率よく回るために、優先度の高い企業のブース位置や、どこがどのようなゾーンかを確認しておきましょう。

単純に優先順位の順に企業ブースを回ると会場を行ったり来たりになり、効率が悪くなります。ある程度、出展ブースの位置を確認したら、どの順番で回ると良いかプランを立てましょう。

仕入れ交渉に使う専門用語の確認

メーカーの担当者と話す際、専門用語が出てくるでしょう。意味がわからないと会話が成立しないため、専門用語の意味は把握しておきましょう。

しかし、仕入れの経験がない方や個人で販売業をしている方は、専門用語には詳しくない場合も多いかと思います。以下に、仕入れ交渉に使う主な専門用語をまとめましたので、参考にしてください。

用語 意味
上代 販売価格(小売希望価格)
下代 仕入れ価格
掛け率 販売価格に対する仕入れ価格の割合(上代に対する下代)
掛け売り 後払いが可能であること(売り手側の視点)
掛け払い 上に同じ(買い手側の視点)

同じ意味でも、売り手側と買い手側の視点によって言葉が異なる場合があるため、混乱しないように覚えておいてください。

展示会での仕入れの取引で注意すること

展示会会場の写真

展示会で良いメーカーと出会えても、実際には取引が成立しない場合もあります。展示会を通して仕入れ取引をする際には、以下のことに注意しましょう。

  • ECモールなどのネット販売を嫌がるメーカーもある
  • 実績がないと取引に応じてもらえない場合がある

それぞれ、解説します。

ECモールなどのネット販売を嫌がるメーカーもある

ネットで商品を販売されたくないと考えるメーカーは、多いです。そのため、ネットショップで販売する商品の仕入れを目的に展示会に参加すると、取引可能なメーカー自体が限られる可能性もあります。

特に、自社ショップではなくECモールでの販売を嫌がるメーカーが多いとされています。参入障壁が低く、価格競争が起きやすいプラットフォームです。複数の小売業者がメーカーの品を出品し、価格競争が起きた場合、卸値に近い額まで商品の値段が下がってしまうこともあります。メーカーもECモールに出品していると、価格競争に巻き込まれ、利益の減少につながるでしょう。そのため、メーカーが直接出品する以外にECモールで商品を販売したくないというのがメーカーの本音です。

希望小売価格から販売価格を下げないと約束するなど、メーカーの不利益にならないよう提案すると、交渉が成立しやすくなります。

実績がないと取引に応じてもらえない場合がある

実績がないという理由で、取引を断られることもあるでしょう。

小売業者は、メーカーとお客様をつなぐ大事な役割を担います。客側から見ると、販売者という点では、小売業者もメーカーも同じです。そのため、お客様からのメーカーへの信頼を失わないよう、しっかりした販売者に商品を扱って欲しいと願うのは当然のことです。販売者を厳しく見るメーカーは、個人との取引自体をしないと決めている場合もあります。

仕入れを検討した末に個人だからという理由で取引できないとなると、時間や労力を奪われてしまいます。最初に個人でも仕入れができるのかをメーカーに確認してから、仕入れ可能なメーカーだけ仕入れ先の候補に入れると無駄な労力をかけずにすみます。

まとめ

メーカーが集結している展示会に参加すると、その場で商品を確認し、担当者との交渉ができます。他にも、今まで知らなかった小規模な優良メーカーとの出会いがあったり、市場の流れを把握できたりというメリットがあります。取引条件に合うメーカーを探し、1件1件あたって交渉するのは大変な労力がかかるため、展示会など1日で多数のメーカーと交流できる機会は貴重です。個人で販売業を営んでいる方も、ぜひ展示会に参加してみてください。

仕入れた商品を販売している方は、ECサイトを利用している方も多いと思います。その際に、重要となるのがスムーズな商品の発送です。送料や作業の負荷を抑えつつも、確実・安全にお客様に商品を届ける必要があります。しかし、売上規模が大きくなるほど、出荷業務の負荷が増え、確実で速やかな発送は難しくなります。荷物が速やかに届かないと、お客様からの信頼を失いかねません。

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