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日本郵便トップ > 第37回手紙作文コンクール 手紙作文部門 日本郵政公社総裁賞受賞作品

注) このページの情報は、掲載当時のものです。

手紙作文部門

日本郵政公社総裁賞受賞作品



○小学校の部

 
拝啓 本田先生

岡山県 倉敷市立中洲小学校 六年 宮部 尋


 本田先生、暑い毎日ですね。
先生にピアノを習いはじめて、もうすぐ一年半になりますね。僕にとって本田先生は三人目のピアノの先生ですが、レッスンが毎回とても楽しみです。三人目、といっても前の先生は、本田先生の奥さんで、その前の先生は奥さんの友達で、小さいころから本田先生のこともよく知っていたので、ずっと先生に習っているような感じです。
3年前のピアノの発表会で、先生が最後に弾いた「英雄ポロネーズ」を聴いた時に、僕の目標がはっきりと決まりました。
『僕も弾く。』そう決めました。
ふだんの本田先生は、いつもポロシャツに半ズボンで、サンダルばきで、一見普通のおじさんで、(すみません。)先生のことを知らない人が見ると絶対にピアノが弾けるようには見えないのだけれど、いざ演奏、となると先生の指は人間の指ではないみたいな正確さとスピードでピアノの上を動き回わり、超カッコイイピアニストに変身します。そのギャップも僕のあこがれです。
 先生は、僕に新曲を選んでくれている時、必ず
「うん、簡単簡単。できるできる。」
 と言ってくれますよね。楽譜を見ると、簡単などころか、譜読みをするだけでも大変そうなものが多いのに、でも先生が、サラリと簡単、と言うのを聞くと不思議と
(そうかなあ、そうかも。)
 と思えてくるのです。先生が録音してくれたテープを聞くと、なんとなく、弾けるかも・・・と思えてくるのです。実際はそう簡単でもなく、すぐ弾けるようにもならなくて、ボロボロの状態のままレッスンの日になってしまう事も多いのに、それでも先生は、
「そうそう、そんな感じ、もうできる。」
 と励ましてくれます。そう言われると、次までにはできるようにしないと、と練習に力が入ります。
 ただひとつ、先生はいつも、レッスンは楽しく、発表会などでも直前までは、気楽に、何をやっても構わないけれど、本番、ピアノの前に座ったら、真剣になること、これだけは必ず守ること、と言いますよね。それさえ守れば、どんなことをやってもいいからと。
 せっかく好きで始めたピアノ、練習がつらく苦しいだけのものになるのはよくないな。でも人の前で弾いて聴いてもらうためには、嫌になるほど練習しないとダメなんだよ。と先生のピアノの音には、そんなメッセージが込められているような気がします。
 これから、中学生、高校生になると、忙しくなってなかなか練習時間もとれなくなるかも知れません。でも、「英雄ポロネーズ」を目指して、楽しく真剣にピアノを続けていきたいと思っていますので、ずっとずっと僕の先生でいて下さい。
 僕も先生のように、人を感動させられるような音が出せるようになりたいです。
 最後に、もうすぐお父さんになる先生へ、赤ちゃんが生まれたら、僕にも抱かせて下さいね。ちょうど僕の誕生日頃が予定日だと聞いてから、ひそかに同じ日になるといいなあと思っています。
 それでは、またレッスンで。
 さようなら。
八月十二日
宮部 尋


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