年賀状大賞

東京都 井出 和雄

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つたえたいあいて:おともだち


講評

 木版画の水性摺り独特の柔らかい色彩が美しい作品です。
 丹念に何枚もの板を彫り、ボカシを加えながら何回も摺り重ねなければ成立しない表現。まさに伝統的な浮世絵の技法で制作された作品ですが、テクニックだけでは人を感動させる作品にはなりません。この作品の最大の魅力はそんな巧みな技術や複雑な工程を感じさせないところにあるのだと思います。現代の東京に現れた龍の顔はどこか優しそうで、作者の温かい人間性まで感じとれます。

鈴木 吐志哉 先生