「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」の応用

これは段階的要請法ともいわれ、人は小さな要求を受け入れると、自分の行動に一貫性をもたせようという心理が働き、その後の大きな要請も受け入れやすくなるというものです。例えば、お店での支払いの後などに「次回セールのお知らせをお送りしてもいいですか?」などと聞かれる場合があります。親切なお店のようにも聞こえますが、お客さまがDMを「受け取ってもよい」と言うことは、送る側の小さな要求を受け入れているともいえます。また、DMにある特典が目当てのご来店だとしても人は「せっかく来たんだから何か買おうかな...」という心理が働きやすいものです。

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「フレーミング効果」の応用

「A:このくじは60%の確率で当たります」「B:このくじは40%の確率で外れます」。この2つは全く同じことを言っているのに、Aは「60%も当たるの?」と思うのに対して、Bは「40%も外れるのか」と感じるはず。これが表現の違いで心理的な理解の枠(フレーム)が違ってくる「フレーミング効果」です。例えば「おにぎり20~40円引き」よりも「おにぎり100円均一」と書いた方が、お得だと考える人が多く、購買意欲が上がりやすくなります。

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「アンチクライマックス法」の応用

長々と前段の話をするよりも、最初にインパクトのある「結論」を述べて、後からその理由を説明していった方が効果的といわれますが、これが「アンチクライマックス法」です。DMに応用することで効果が大きくなります。「全品半額」と先に大きく伝え、なぜなら「問屋を通さず直接仕入れ」で「会員だけへ提供」だから安くできるなど理由を伝えると、興味を持って最後まで読んでもらえ、印象に残ります。

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「両面提示」の応用

「味は一級品! しかも値段は半額以下! ただ、形や大きさが不ぞろいなため果物屋の店頭には出せない商品です」という説明は、その商品の良い面と悪い面の「両面を提示」しています。このように、あえてデメリットを開示することで、消費者は売り手に対して「正直に説明してくれる」と信頼感が湧きます。両面提示は、商品についてある程度の知識を持った人に有効な方法だといわれています。

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「稀少性の法則」の応用

ある心理学の実験で、「ビンに10個入っているクッキー」と「ビンに2個しか入っていないクッキー」を別々のグループに食べさせたところ、同じクッキーなのに2個しかないグループの方が味に対して好意的な評価をしたそうです。また、クッキーがもともと少ないときよりも、たくさんあったクッキーが急に減ったときの方が評価が高まったそうです。つまり、「残り少ない」ということに人は価値を感じて、高い評価をする傾向があるようです。「今月末まで」「先着100名さま」「北海道限定」など、消費を促進させたいときに有効なテクニックです。

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監修 = 文教大学 人間科学部 心理学科 鎌田晶子 教授
博士(心理学)。専門分野は『消費行動心理学』。消費者の心理について、主として心理学の実験手法を用いて研究に取り組んでいる。大木桃代・小林孝雄・田積徹編著『日々の生活に役立つ心理学』(2014/川島書店)の「消費行動心理学」の章を分担執筆。