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第40回手紙作文コンクール

手紙作文部門 文部科学大臣賞

静岡県 静岡市立宮竹小学校  川口 菜那

「ありがとう。」私の大切な二つの家族へ

静岡市立宮竹小学校
六年  川口 菜那

「私には、大切な家族が、二つもあるの。」そう言うと、目を丸くして驚く人や、複雑な事情があるのではと、心配してくれる人までいるけれど、その後の私の説明を聞くと、どの人もみんなにっこり笑ってうなずいてくれるの。大好きで大切な、私の自まんの家族。それを二つも持っている私は、本当に幸せな子だと思うんだ。今まで「ありがとう。」って改まって言ったことなんかなかったけれど、今、大きな声で思いきって伝えたいの。私の二つの家族に…。「ありがとう。」って、「どっちの家族も、私には、絶対に必要なんだ。」って。

一つ目の大切な家族は、私がこの世に生まれてから今までの十二年間、ずっと私を見守り育ててくれた「家にいる家族」。お父さん、お母さん、そしてお姉ちゃんだ。私は三人といる時が、一番気をぬくことができるよ。自分の弱い所も平気で見せることができるんだ。

お父さん、本当は休みの日は、ゆっくりしていたいはずなのに、私が「つまんないよ。どっかに行こうよ。」と言うと、「じゃあキャッチボールでもするか。」って、必ず一緒に何かしてくれる。わがままだってわかっているけど、お父さんの優しさに甘えてしまう私を許してね。お父さんが遊んでくれる時が、すごく嬉しいんだ。

お母さん、私がむしゃくしゃしていた時、お母さんにいらいらした気持ちをぶつけてしまったことがあったね。お母さんは、全然関係ないのに、悪いのは私なのに。だまってずっと抱きしめてくれていた、あの時のお母さんの胸、あたたかかったよ。これからもお母さんの前では、わがままな私になってしまうと思うの。それでもお母さんは、絶対私のこと大好きでいてくれるって思うから、私は安心していられるんだよ。

お姉ちゃん。お姉ちゃんは、生まれてからずっと、私の一番身近にいる目標だし、最大のライバルだよ。けんかの途中で私が泣き出しても絶対に勝たせてはくれない。悔しくてたまらなくなるよ。でもね、本当は、お姉ちゃんが優しいことを私は知ってるんだ。私が入院した時、ひよこのマスコットをくれたでしょ。私のお守りだよ。どんなに激しく言い合っても、終わればあっという間に仲よくなっちゃう。本当に不思議だよね。

二つ目の私の大切な家族は、「学校にいる家族。」六年一組の三十人の仲間と、お母さんのような先生だ。もちろん血はつながっていないし、「家族」って呼ぶのは変かもしれないけれど、五年生の時からみんなと先生で築き上げてきた絆は、もう「仲間」なんて言葉の●を、私の中では、とっくに越えてしまっている私のもう一つの家族なの。

今、こうしてこの手紙を書いている時も、六年一組のみんなのことが浮かんでくるよ。何をしているのかなぁ、会いたいなぁって。休み時間のざわめきや、六年一組のみんなの笑顔、国語の話し合いで盛り上がって熱く語り合っている所…、次々と浮かんでくるから、今すぐにでも学校に行きたくなっちゃう。まだ夏休みのまん中なのに。去年までは、できるだけ夏休みが続いてほしいと思っていたのに。自分でも驚いてしまうよ。

みんなは、私にとって、「家の家族」と同じくらい大切なんだ。「家の家族」が、私の弱い所を見せて、気をぬける家族であるとするなら、「学校にいる家族」であるみんなは、私に新しいやる気と、成長するためのエネルギーをくれるもう一つの家族なんだ。

井川の自然教室で、大雨の中必死にカレーを作った時、協力し団結することで、一人一人の力が何倍にも大きくなることを私は知ったよ。小学校生活最後の運動会の組体操では、私を信じて支え続けてくれるみんなのために恐くても歯をくいしばりながら立ち上がっていく勇気をもらったよ。毎朝、鉄棒が苦手で練習中の私に、口々に励ましや、アドバイスをくれるよね。私は早く逆上がりができるようになって、みんなに「ありがとう。」って言いたいんだ。でも三月には、卒業が待っているよね。この二年間、「家の家族」よりいっしょに過ごしてきたみんなと、ばらばらになってしまう。それを思うと、とても胸が切なくなるよ。みんなとの何気ない学校での時間が、一秒一秒とても大切なものに思えてくるんだ。

今の私にとって、二つの家族は、絶対になくてはならない大切なものだ。そして、私自身が、毎日を精一杯頑張って生きていくことこそが、私の大切な二つの家族への一番のお礼になると思っているよ。ありがとう。二つの家族。これからの私を見ていてね。